当院の救命救急センターでは、24時間365日体制で救急患者を受け入れ、迅速かつ適切な診療を提供しています。
当科では開設以来「救急医療は医の原点」をモットーにしており、地域のセーフティネットとして重要な役割を担っていることを意識しながら日々診療を行っています。
三島医療圏の救急医療を担う拠点として、3次救急はもとよりあらゆる救急医療に対応するよう日々精進しています。新本館A棟の1階の大部分が救命救急センター初療フロアに割り当てられ、CT室に直結した蘇生・手術室、また2次救急初療エリアなどがありER型の救急を行っています。3階には救命救急ICU(EICU)20床を設置し、1階の初療フロアと直通エレベーターで連結され、初療からシームレスな診療が可能になっています。
2023年度では救急医療部のみで救急搬送841台を受け入れ、そのうち外傷症例が115症例、院外心肺停止が208症例でした。
重症救急患者への対応
搬送される症例は心肺停止(CPA)・急性心筋梗塞・脳卒中などの緊急疾患、重症外傷(交通事故・墜落など)、敗血症・急性中毒・重症感染症・熱傷など多岐に渡ります。
特に重症外傷症例に対しては3次救急が担う役割は非常に大きく、当科の外傷チームを中心に定期的な「外傷シミュレーション」を行い、看護師や救命士、検査技師などと合同で様々な症例を想定しながら救命率の上昇のために勉強をしています。またEICU 20床を有しており、多彩な疾患に対して集中治療管理を効率良く学ぶことも可能となっています。




各診療科との連携
当院では3次救急のホットライン以外に、脳神経外科の脳卒中ホットライン、循環器内科の循環器内科ホットライン、心臓血管外科の大動脈ホットラインを設けており、患者の状態に応じて各科協力しつつ診療を行っています。
外傷においては個々の症例に応じて整形外科、消化器外科、形成外科、頭頚部外科などと密に連携し、緊急手術やカテーテル、IVRなど専門的な診療を速やかに行っています。毎朝のカンファレンスでは、整形外科、精神科の医師にも参加して頂き、救急現場において特に関わることの多い外傷や精神疾患合併症例に対し最適な医療を提供出来る体制を整えています。




ECMO診療
当科ではECMOを含めた重症患者を積極的に受け入れています。
特に呼吸不全患者は発症早期の人工呼吸器による管理とECMO管理が予後改善に重要であり、お困りの患者様が発生した際にはぜひご相談いただきたいと思います。
また、呼吸不全に限らず、集中治療管理を必要としている重症患者様でお困りの患者様についてもぜひ気兼ねなくご相談いただければ幸いです。
呼吸不全に対するECMO適応基準
- ADLが自立
- 一律の年齢制限なし
- 低酸素血症 (PaO2/FiO2比<100)
- 高二酸化炭素血症(PaCO2>80、pH<7.2)
- 高度なエアリーク状態
上記の適応条件はあくまで目安です。状態が悪化する可能性がある、このままの管理では不安だ、などのご相談があれば、ぜひお気軽にご連絡ください。
循環不全に対するECMO適応基準
- 昇圧剤に反応しないショック
