小児看護学

小児看護学

教授 竹村 淳子

 小児看護学分野では、子どもの健康障害や療養環境、子どもを養育する親・家族など多岐にわたる研究を行っています。博士前期課程では研究の基本となる考え方や姿勢から学んでいきます。博士後期課程では小児看護の更なる発展につながる研究を目指します。在学中は、院生同士の討論や修了生との交流の場を設け、小児看護の実践ならびに研究についての学びを深めています。
 自分自身の研究は、重症心身障害のある子どもと家族への支援について取り組んでいます。

准教授 鈴木 美佐

「慢性疾患をもつ子どもの病気の認知に関する研究」・
「食物アレルギーをもつ子どものセルフマネジメントを促進するための研究」
 慢性疾患をもちながら成長・発達していく子どもが自身の病気についてどのように捉え、生活の中で子どもなりに療養行動に取り組んでいくのかについて興味があり、子どもたちへの支援のあり方の検討を進めたいと考えています。
現在は、これまでに取り組んできた研究の成果をふまえ、食物アレルギーをもつ子どもの発達段階別心理教育支援の検討や、食物アレルギー児の社会的集団生活スキルの獲得にむけた支援プログラムの開発に取り組んでいます。
「検査や処置を受ける子どもへのプレパレーションに関する研究」
 採血や検査・予防接種など、侵襲のある処置を受ける子どもの苦痛緩和や心理的準備を促進するためのプレパレーションに関する研究に取り組んでいます。

助教 倉橋 理香

 NICUを退院した低出生体重児の育児について研究に取り組んでいます。
新生児医療の発展によって、今、10人に1人は、出生時の体重が2500g未満の低出生体重児として出生しています。小さく生まれたが故の育児の難しさなどお母さまがたの育児の様子を明らかにし、支援につなげていけたらと考えています。

教員の研究課題

    ・在宅重症心身障害児の二次障害の治療に関する親の意思決定プロセスの研究
    ・重症心身障害児のレスパイト入所時の看護援助に関する研究
    ・学校を卒業した重症心身障害児の居場所に関する研究
    ・小児看護学実習における実践と理論を統合するための指導方略に関する研究
    ・食物アレルギーの子どもの力を引き出す看護援助に関する研究
    ・検査・処置を受ける子どもの力を引き出す看護援助に関する研究
    ・低出生体重児を養育する母親に関する研究

小児合同ゼミ

 

修了生の研究

【博士前期課程】
赤松 志麻(高度実践コース)2017年3月
「思春期初発クローン病患児の退院後に母親が体験した食事療法に関する困難と対処」
小児看護専門看護師 認定試験合格
土井 恵子(教育研究コース)2018年3月
「看護師の重症児に対する臨床判断とケアの専門性」
田中 育美(教育研究コース)2018年3月
「先天性食道閉鎖根治術後の子どもをもつ母親が食事に関して抱える困難と対処」
水島 道代(高度実践コース)2019年3月
「1型糖尿病患児の療養管理の自立に向けて親が行う初期指導」
 小児看護専門看護師 認定試験合格
州崎 悦代(教育研究コース)2022年3月
「児童心理治療施設に入所する被虐待経験のある中学生が訴える身体症状に対する職員の認識」
中島 真希(高度実践コース)2023年3月
「乳児期に気管切開術を受け思春期を迎えた子どもが通常学級で経験する困難とその対処」
 小児看護専門看護師 認定試験合格
澤本 さおり(高度実践コース)2023年3月
「関節型若年性特発性関節炎の学童に在宅自己注射を行う親が導入初期に抱える困難と対処」
 小児看護専門看護師 認定試験合格

【博士後期課程】
山﨑 歩 2017年3月
「1型糖尿病をもつ女性の思春期・青年期におけるセルフマネジメントの獲得に関する研究」
川端 智子 2018年3月
「青少年の喫煙防止教育プログラム開発のための喫煙関連要因の明確化に関する研究」
岡田 摩理 2018年3月
「小児看護学実習において学生が臨床判断の思考を深めていくプロセス」
中北 裕子 2019年3月
「医療的ケアが必要な児をもつ母親が家族の暮らしを維持するための生活調整過程」
鈴木 美佐 2020年3月
「食物アレルギーのある子どもの対処過程に基づいた心理教育支援ガイドの開発に関する研究」
此島 由紀 2021年3月
「祖父母が重症心身障がいの孫の育児に参画するプロセスに関する研究」
枝川 千鶴子 2022年3月
「在宅移行初期における医療的ケア児の体調管理をする母親を支援するためのアセスメントツールの開発」
玉川 あゆみ 2022年3月
「自閉スペクトラム症児の耳鼻咽喉科診療を円滑に進めるためのケアガイドの開発」

家族看護研究会の開催

 小児看護という分野を超えて、家族看護研究会を2か月に1回開催しています。在宅看護学分野の教員、他大学の教員、家族支援専門看護師、小児看護専門看護師、急性・重症患者看護専門看護師、近隣病院・訪問看護ステーション等に勤務する看護師、大学院生が集まり、事例検討や家族看護実践について学びを深めています。