基礎看護学

看護を専門とする者には、人々・状況を理解する力、人々中心のケアを実践する力、看護の質を改善する力、さらに、医療チームメンバーと協働していく力が求められています。基礎看護学分野では、看護の歴史や倫理、社会における看護の役割・機能について学び、批判的思考力や基礎看護技術力を持ち、科学的根拠に基づいたケアの提供ができる人材の育成を目指しています。

授業風景

  • 1年生:日常生活援助技術演習風景
  • 2年生:治療過程に伴う援助技術演習風景
  • 2年生:治療過程に伴う援助技術演習風景 附属病院主任との連携教育
  • 1年生:基礎看護学実習Ⅰ発表風景
  • 4年生:基礎看護学領域ゼミ生のOSCE風景
  • 基礎看護学領域教員

授業科目

看護学概論、日常生活援助技術、看護展開論、治療過程に伴う援助技術、フィジカルアセスメント、看護管理、基礎看護学実習Ⅰ、基礎看護学実習Ⅱ、統合看護学実習、卒業演習

メンバー紹介

教授 | 宮島 多映子

「看護」とは?その対象である「人間」とは?私の疑問は、そこから始まります。
 学問は「人間を幸福にするための知識の体系」です。「看護が人間を対象とする以上、看護にはすべての学問が必要」です。臨床での看護経験と、専攻してきた応用社会学、看護生態学、環境医工学などの知識を総動員して、看護を学問として表現し、人間を幸福にする知識を提示することを目指しています。
 主なテーマは、看護技術の開発(内視鏡技師の臨床経験から開発したMiyajima式腹部圧迫法の臨床応用)、看護技術の生理学的研究(看護技術実施時の様々な生体反応)、看護用具の開発(高齢者の運動機器の開発など)です。また、情報メディアとしてのマンガを分析し、看護師のイメージや看護教育、看護管理の研究なども行っています。

准教授 | 川北 敬美

私は、看護師として働き続けることを支える環境について、看護管理学の視座に立ち、研究を行っています。超高齢化社会を迎え、看護の需要は高まるばかりですが、労働力人口は減少していきます。学生時代からのキャリア教育の充実とともに、多様な働き方を推進し、生き生きと働き続けられる組織的支援を探求していきたいと考えています。

准教授 | 二宮 早苗

私は、看護技術のエビデンスを構築するための実験研究や、主に排泄障害に対するケアの開発・調査研究などを行っています。また、看護のアイデアを形にするため、工学系の研究者との共同研究や産学連携も進めています。人々の健康と生活の質向上につながる看護技術の開発に貢献していきたいと考えています。

助教 | 赤崎 芙美

私は、エビデンスを看護実践に普及させる人材育成に関する研究を進めています。
看護実践では根拠に基づく実践が重要であるといわれていますが、看護の対象は人であり、臨床現場では様々な環境要因も関係してくるため、容易なことではありません。根拠になるエビデンスの質を見極めて、実際に患者に活用できるのかを判断し、さらに病棟や病院全体など、組織に普及できるのはどのような人材なのか、またその人材育成への示唆が得られるように日々検討を重ねています。

助教 | 日髙 朋美

私は、新人看護師を指導する実地指導者のメタ認知について研究しています。
新人看護師にとって効果的な指導ができたかを振り返り、実地指導者自身が指導の内容や方法を点検、修正するための教育的支援を探究したいと考えています。

社会貢献活動・その他の取り組み

・1年生後期の日常生活援助技術、2年生前期の治療過程に伴う援助技術の演習時には、大阪医科薬科大学病院看護部の協力を得て、教育主任や臨床指導者の方に技術指導を共同で担当して頂き、ユニフィケーションを実践しています。

卒業研究のテーマ

動物介在療法による心理的効果と取り組みに関する文献検討
顔面への接触による手指の汚染状況の検討
看護師が実践するせん妄患者への関わりに関する文献検討
代理意思決定を行う家族に対する看護師の支援:文献検討を通して
臨床看護師に求められる傾聴:文献検討を通して
小児がんの病名告知の有無に関する患児と親の気持ちについての文献検討
術後せん妄の予防方法に関する文献検討
看護領域における寄り添いの実践内容の構成要素
患者が安心感を得ることのできる手術室環境・看護師の関りについての文献検討
使用後の足浴器具(バケツ型)の汚染部位の検証
ストロー付きコップの時間経過による汚染状況の検討
足浴後の保湿による皮膚水分量の変化
新人看護師のレジリエンスとその促進要因に関する文献検討