お問い合わせ contact
〒569-8686
大阪府高槻市大学町2-7
TEL
072-683-1221(代表)
患者様へ、ご相談は外来を受診してください。
教室紹介のところでもお話しましたが、私たちは「今求められる医療の実践」を常に念頭に置いて、“患者様に喜ばれる、いい治療” 特に大阪医大泌尿器科に特徴的な治療の開発と提供に取り組んでいます。例えば臨床では、通常の内分泌治療に反応しなくなった進行性前立腺癌に対する大阪医大式内分泌化学療法(外来、内服による患者に優しい治療)の開発などが、その代表例です。研究では癌治療の原点ともいうべき「癌転移のメカニズム解析と治療」、そして、移植領域における「免疫抑制剤を使用しない移植:新規免疫寛容の誘導法の開発」に取り組み、将来の臨床応用に向けて日夜努力を続けています。
教育については? 基本的なコンセプトは「今求められる医学教育」です。すなわち、“学ぶべき本人が何を求めているのか?” を個々のスタッフとコミュニケーションを充分にとって「ニーズにかなう医学教育」の実現を目指しています。
泌尿器科は@手術的な外科治療、A放射線治療とのコラボによる放射線治療、そして、B血液透析、腹膜透析、腎移植を含めた慢性腎不全に対する総合的医療など、取り扱う疾患の種類や範囲が極めて広く、特に我々の教室はいち早く先進医療を手掛けているので、「今、求められる最先端医療」を習得することが可能です。
スタッフからのお話からも一目瞭然かと思いますが、外科医としての腕を磨いて最高の臨床医を目指したい先生、あるいは、海外留学を経験してアカデミックな道で究めたい先生、あるいは、将来開業医として地域医療に貢献することを目指している先生、あるいは、これらの全てを経験した後で決めようと思っている先生、どんな先生でも必ず希望に沿った道が開けることを確約します。
最も重要なことは、学ぶべき本人が何を求めているのか?を充分に把握し、自主性と積極性を引き出す教育システムを構築することであると考えています。本人が主体的に、実践で学ぶ卒後レジデント教育システム、すなわち、診断、手術を含めた治療、そして、フォローアップといった一環した診療をレジデントが主体的に修学するシステムを構築し、疑問と問題点を自分で考え、解明する、ことによって自主性と積極性を引き出すことを目指しています。
手術手技の習得に関して、我々は、手術が上達する最大の近道は手術を執刀すること!であると考えています。手術前には手術書で勉強する!でしょうし、手術後には先輩や指導医の手術の見方が変わります!先輩と、どこが違うのか?と考えることによってモチベーションアップにつながります。
事実、ここ数年の腹腔鏡技術認定医の合格率はきわめて高く、技術的に非常に高いレベルを維持しています。 また、年間700例の手術件数をこなすには、このシステムが非常に有用であり、若い力がそのまま組織の力となっています。
術 式 |
手術件数(件) |
前立腺悪性腫瘍手術:(ロボット支援前立腺全摘術(RALP)) | 96 |
腎(尿管)悪性腫瘍手術:(腹腔鏡) | 31 |
腎(尿管)悪性腫瘍手術:(開腹) | 6 |
腎(尿管)悪性腫瘍手術:(ロボット支援腎部分切除術(RAPN)) | 36 |
腎部分切除術:(腹腔鏡) | 37 |
腎部分切除術:(開腹) | 1 |
副腎摘出術:(腹腔鏡) | 8 |
副腎摘出術:(開腹) | 4 |
尿管鏡検査:(LRVを含む) | 150 |
尿管鏡検査:(LRVを含まない) | 1 |
腹腔鏡下腎盂形成手術:(ロボット支援腎盂形成術) | 3 |
膀胱悪性腫瘍手術:(部分切除)(開腹) | 1 |
膀胱悪性腫瘍手術:(全摘)(ロボット支援膀胱全摘術(RARC)) | 10 |
膀胱悪性腫瘍手術:(全摘)(尿管皮膚瘻) | 2 |
膀胱悪性腫瘍手術:(経尿道的手術(光線力学診断を含む) | 156 |
膀胱悪性腫瘍手術:(経尿道的手術(光線力学診断を含まない)) | 43 |
経尿道的膀胱凝固術 | 6 |
膀胱水圧拡張術 | 1 |
経尿道的前立腺切除術 | 28 |
後腹膜悪性腫瘍手術 | 1 |
経尿道的尿路結石除去術:(レーザー使用) | 39 |
経尿道的膀胱結石摘出術:(レーザー使用) | 7 |
経皮的腎(腎盂)瘻造設術 | 43 |
内シャント設置術:(自己血管使用) | 101 |
内シャント設置術:(グラフト使用) | 4 |
内シャント閉鎖術: | 2 |
生体腎移植術 | 10 |
移植腎採取術 | 10 |
献腎移植 | 1 |
連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | 17 |
連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内抜去術 | 7 |
外尿道腫瘍切除術 | 4 |
陰茎折症手術 | 1 |
陰茎悪性腫瘍手術 | 3 |
精巣悪性腫瘍手術 | 7 |
精巣捻転手術 | 8 |
陰嚢水腫根治術 | 1 |
BOAI | 58 |
その他 | 136 |
病院名 | 病床数 | 勤務体制 |
藍野病院 | 969床 | 常勤 |
亀田総合病院 | 917床 | 常勤 |
大阪府済生会中津病院 | 778床 | 常勤 |
静岡済生会総合病院 | 633床 | 常勤 |
愛仁会高槻病院 | 477床 | 常勤 |
医誠会病院 | 327床 | 常勤 |
市立枚方市民病院 | 327床 | 常勤 |
大阪府済生会茨木病院 | 315床 | 常勤 |
畷生会脳神経外科病院 | 305床 | 常勤 |
加納総合病院 | 300床 | 常勤 |
城山病院 | 299床 | 常勤 |
第一東和会病院 | 243床 | 常勤 |
新生病院 | 225床 | 常勤 |
北摂総合病院 | 217床 | 常勤 |
生駒市立病院 | 210床 | 常勤 |
松原徳州会病院 | 170床 | 常勤 |
蒼生病院 | 150床 | 常勤 |
三康病院 | 25床 | 常勤 |
河内総合病院 | 374床 | 非常勤 |
医真会八尾総合病院 | 301床 | 非常勤 |
平野若葉会病院 | 174床 | 非常勤 |
洛西シミズ病院 | 148床 | 非常勤 |
仁泉会病院 | 140床 | 非常勤 |
ラポール会青山病院 | 125床 | 非常勤 |
大東中央病院 | 117床 | 非常勤 |
やる気のある若い先生は、できる限り海外留学に行くことを勧めています。 一生涯に一度、海外で生活してみたいといった漠然とした動機でもいいと思います。海外に行って研究の環境におかれれば、必然的に研究に没頭するようになり、研究の楽しさ、すばらしさ、そして厳しさも得られると思います。
海外留学は自分にとってだけでなく後輩のためにも非常に有効です。たとえば、後輩の留学先の確保や、後輩が留学したときの不安や問題点を自分の経験を話すことによって解消させ、勇気付ける、また、研究の面では、帰国後も共同研究を行うことによって最新の情報を入手して研究や、臨床に有益であると思われます。
そして、最後に、語学の習得、やはり、プレゼンテーションの力というのは極めて重要であると思われます。国際人であることの重要性、そして、何よりも無二の親友が海外にいるということが、一生涯、掛買いのない財産になると思います。
Harvard Medical School、British columbia, MD Anderson といった、世界有数の研究機関と連携を持って協同研究を行っています。これらの世界有数の研究機関に留学し、研究のすばらしさ、そして、厳しさを知ること、そして、帰国後も協同研究を行うことにより最新の情報を入手することは、若い先生方の将来において、極めて貴重な経験とキャリアーになると思われます。
大阪医科大学を2012年に卒業した前之園良一と申します。島根県出身で本学卒業・本学初期臨床研修修了後の2014年に泌尿生殖・発達医学講座 泌尿器科学教室に入局しました。
2015年 愛仁会高槻病院 泌尿器科出向、2017年 に国内留学として東京女子医科大学 泌尿器科 Clinical fellowを終えた後、2018〜2020年 Harvard Medical School, Brigham and Women’s Hospital, Division of Transplant Surgery, Research fellowを終えて帰国しました。
「泌尿器科に入ってハーバードに留学せぇへんか」という言葉。私が医学部5回生のポリクリ(Poliklinik)の時に当時の准教授であった東教授の一言がすべての始まりでした。入局後、東教授のはからいで、東京女子医科大学泌尿器科で腎臓移植を学びに国内留学を、そしてその後、世界で最初に生体腎移植が成功したBrigham and Women’s Hospital (当時のPeter Bent Brigham Hospital)に聖地巡礼、もとより移植の基礎研究を学びに来る機会を得ました(1954年にDr. Joseph E. Murrayによる一卵性双生児間の生体腎移植、1990年にノーベル医学生理学賞受賞)。
初めての海外一人暮らしをする事になり不安と期待が入り混じりましたが、しかし実際にBostonへ来て良かったことが3つ程ありました。
一つ目は研究職・他職種の知り合いが増えた事です。人見知りで医療関係者との付き合いが多く、また単科大学であったという事も相まって日本にいた時は研究者の方たちと付き合う機会は基本的にありませんでした。「ロングウッドで朝食を〜Breakfast at Longwood〜」という、月曜の早朝から日本人研究者が集まるコミュニティーがあり、他職種との知り合いが増えた事が今の財産の一つです。渡米される際は誰でも歓迎なので是非立ち寄って見てください (Monday, 6:30am-7:30am, 360 Longwood Avenue, Boston, Massachusetts 02215, Caffe Nero)。
二つ目は研究の先端を肌で体感出来た事。私は研究初心者であった為、完全に道に迷いかけていましたが前述「ロングウッドで朝食を」で色んな話を聞くという経験は今後の自分の進路を決めていく上で非常に有益なものになりました。加えてアメリカならでは、という事になると膨大な臨床移植データを扱う機会や、アメリカの超一流病院であるMayo Clinicでマウスの心臓移植デモを行う機会や一流の科学者の公演を間近で聞きその風を感じる等、これらに関してはBostonそしてHarvard Medical Schoolに来なければ出来なかった経験だと思います。
三つ目は、これは非常にラッキーなことにアメリカに「剣道」をやっている場所があることでした。渡米前に「お前はBostonの寒い冬に孤独死するから何か趣味を持っていけ」と脅され...もとよりアドバイスを受けていましたが、たまたま下宿とラボの間に剣道をやっている所を発見し、そこで2年間お世話になりました。剣道には「交剣知愛」という言葉があります。恩師によく交剣知愛を説かれていた記憶がありますが、当時は実感に乏しくここに来てコミュニケーションが十分にとれない状況でふとこの言葉が頭をよぎりました。「剣を交えて愛しむを知る」...異国の地で改めて初心に帰る。
これらの3つの機会は本当に私にとっては日本ではなかなか得難い貴重な経験であり、まさに昨日の夢が今日の希望になり、そして明日の現実に繋がっていくのだなと実感しました。
私は現在医師9年目(2020年現在)でありますが、大阪・東京の病院を経て一通りの事を学んできました。特に自分よりも年若い子達が腎不全で活動・QOLが制限されているのを見ると移植医療・代替医療がもっと当たり前の選択肢になり、その上で適切に臓器配置を行えるようになれば少なくとも無駄の少ない医療になるのでは、と考えるようになったのがBostonで行った研究の始まりでした。
iPSに代表されるような再生医療で腎臓そのものを作り出す事は少し遠い未来かもしれませんが、最近では豚から人への移植の壁を取り払う遺伝子改編技術でXenotransplantation (異種移植)が遠くない未来に近づきつつあります。私の所属していたラボは残念ながらこういった事は行っていませんでしたが、適切な臓器配置ができないかについて興味をもち、現在は性別とagingに絡めたテーマで移植の研究を行っております。簡単に述べるとレシピエントとドナーの性別やagingに伴う男女のホルモン状態で成績が異なるのか、それぞれに合った臓器配置が出来るようになれば、と思い研究をして参りました。
「求めよさらば与えん」...まさに現在の大阪医科薬科大学 腎泌尿器外科を表していると思います。泌尿器科に興味を少しでも持っている先生方、当科は群を抜いて忙しいですがその分チャンスは求めればどこよりも広がります。人生は一度しかありません。一生に一度、海外で活躍してみませんか。
2012年卒の吉川 勇希です。
2017年4月から2020年3月までの三年間、アメリカ、ニューヨーク、マンハッタンにあるMemorial Sloan Kettering Cancer Centerで基礎研究をしていました。
ご存知の通り、ニューヨークは同国でも最大規模の都市で、その人口は800万人を超えています。在米日本人数も都市だけで約5万人、州では約10万人を数えると言われております。「Big Apple City」や「Non-Sleeping City」などの愛称で知られており、世界経済の中心地の一都市、娯楽や活動の魅力となる一都市である事は間違いありません。
ラボでは「去勢性前立腺癌に対する新規治療」というテーマで、去勢抵抗性を獲得した前立腺癌において、遺伝子レベルでの治療を行う事で既存の薬の効果を向上させる事を目的に研究を行っておりました。
日本では殆ど基礎研究の経験がなかった私にとっては、所属していたラボのメンバーの真摯さや直向きさ、真剣さは新鮮で、自分もそれに触れ自身を奮い立たせるきっかけになった事は間違いありません。
また、私の所属していた癌センターは病院としても研究施設としても有名であり、世界中から医師、研究者がより良い環境を求めて集まっておりました。日本人も例外ではなく、各大学の先生方が続々と集まり、その方々と交流をし、親交を深められたのは今後の自分にとって大きな財産となりました。
海外経験が少なかった私が留学して思ったのは、「海外は遠いけれど、近い」という事でした。当然の事を言っているようですが、言語が英語、道行く人が日本人ではない、通貨がドル、それ以外は日本と大きく変わらない生活を送っていると考えると何故か不思議な感じがしました。
ニューヨークから少し足を延ばせば、フィラデルフィアやワシントンがありニューヨークとは違った街並みが楽しめます。非日常を楽しみたい方はアトランティックシティに行くのも良いでしょう。また、ボストン、ハーバードには私達の医局から同世代の先生方が継続的に留学しており何度か訪れました。日本で一緒に働いていた時に会うのとは若干違った、でも、同じような雰囲気を味わう事ができ、共に楽しい時間を過ごしました。
もし、「基礎研究がしたい」、「留学に行ってみたい」と考えている若手の先生方がいらっしゃいましたら、「自分は行きたい!」と積極的に声に出して下さい。
新しい事に挑戦するのには、勇気とパワーが必要です。ですが、一歩を踏み出してみて下さい。そうすれば間違いなく、自分にとって黄金の経験を得られます。
私にとってこの留学期間は人生の中で最も貴重な三年間であったと思います!!
泌尿器科と聞くと性病や男性生殖器を診る科をイメージする学生さんや研修医の先生が多いと思います。確かに、私たち泌尿器科医は男性生殖器や性行為感染症を扱いますが、日常診療でその割合は1割未満というところです。実際の現場では尿路悪性腫瘍、排尿障害、腎不全、尿路結石、尿路感染などの疾患がほとんどです。
特に悪性腫瘍や排尿障害は超高齢化社会に突入している日本の今後を考えると益々増えていくと予想され、実際に前立腺肥大症は最近15年で約3倍に増えています。もちろん高齢化社会になると高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳血管疾患も増加していくことが予想されますが、同時に予防医学も発展していくため相対的な増加は少ないかもしれません。尿路悪性腫瘍や前立腺肥大症は予防が困難な病気であり、この先泌尿器科医の需要がさらに高まるのは目に見えています。
科の選択にはルールは存在しません。選択する理由をあげればきりがありませんが、研修医が考えるのは「仕事内容」「収入」「勤務時間」「人間関係」の4つでしょう。収入、勤務時間、人間関係は1人前になれば個人の能力である程度改善することができます(もちろん当科はその3つすべてにおいて他科に劣っているとは思いません)。しかし、やはり重要なのは仕事内容です。
泌尿器科は外科的側面と内科的側面のある科です。悪性腫瘍、結石、前立腺肥大症に対する手術は年々増加しており、外科系の中でも最も内視鏡手術が発達している科です。特に最近話題になるロボット手術においては平成24年4月現在、保険適応になっているのは悪性前立腺手術のみで、外科分野の先駆けといえます。内科的側面は尿路感染、腎不全といった全身管理を必要とする疾患を扱うことです。特に末期腎不全の治療では血液透析や腹膜透析をおこない全身管理をする必要があります。
10年先、20年先に求められる医療がどんなものかを想像してください。きっと少子化、超高齢化の進んでいる日本では老人医療が中心になっているはずです。泌尿器科はその中心とはいいませんが、その主要な分野の1つになっていることでしょう。必ず、自信と誇りを持って仕事ができると信じています。