専門グループ紹介
消化器

診療内容と特色

 特徴としては炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)の患者様が多く通院されています。 また、超音波検査や消化管内視鏡検査、肝生検な ども行っており、幅広く消化器疾患に対応が可能です。

消化管疾患:

潰瘍性大腸炎、クローン病、胃十二指腸潰瘍、乳児肥厚性幽門狭窄症、消化管ポリープ症候群、血便精査、腸重積など

肝・胆道・膵疾患: 急性肝炎、慢性肝炎、原発性硬化性胆管炎、急性膵炎、慢性膵炎など
詳しい臨床・研究内容をご覧になりたい方は、研究グループのページもご参照ください。
神経

診療内容と特色

 われわれは、小児期に発症するさまざまな神経・筋疾患の診療を行っております。小児神経専門医やてんかん臨床専門医の医師が診療にあたります。外来あるいは入院治療での精密検査、治療はもちろん、LDセンターや近隣の療育施設と連携をとり、役割分担をしながら子供たちのいろんなニーズに対応していきたいと思っております。

てんかん(点頭てんかんなど)、
神経免疫疾患(ギランバレー症候群、多発性硬化症、重症筋無力症など)、
神経筋疾患(筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症など)、
先天異常(ダウン症、1p36欠失症候群、Sotos症候群、Williams症候群など)、
先天代謝異常症(ミトコンドリア病、Menkes病、先天性グリコシル化異常症、シトリン欠損症など)、
変性疾患(遺伝性運動感覚ニューロパチー)、
感染症(髄膜炎、脳炎脳症など)
学習障害

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心身症・自律神経グループ

診療内容と特色

 小児心身症や起立性調節障害などの自律神経疾患を担当しております。
近年、この領域の疾患が多くなり、とくに起立性調節障害の診療では、診察待ち期間が長くなり、皆さまには大変にご不便をかけております。ご理解賜りますよう、どうぞお願いします。
なお、起立性調節障害の情報、当グループの診療に関しては、起立性調節障害ウェブサイト(https://www.od-support.com//)をご覧下さい。

起立性調節障害、慢性頭痛、不登校、摂食障害、過敏性腸症候群、過換気症候群、チック、抜毛症、アトピー性皮膚炎など

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新生児

診療内容と特色

 我が国の新生児医療は、死亡率や、将来の後遺症率の低さでは、世界をリードしています。

 当院の周産期医療は開設以来30年以上の歴史があり、全国でもトップレベルの診療実績を誇っています。最近では、在胎23週、体重400gというような小さな小さな赤ちゃんでも、95%以上は退院できるようになりました。また、出生体重1000g未満でも、85%以上は普通の人と全く同じ生活をされています。早産以外でも、生後に何らかのトラブルがあって救急搬送されたり、あるいは、胎児期から何らかの異常を指摘されていたり、不安をいっぱい抱えたご両親もおられると思いますが、当院は、ほぼあらゆる疾患に対応できますので、どうか安心してお任せください。

 また、手厚いアフターケアも当科の大きな特徴です。外来では、療育園等で十分な経験を積み乳児の発達に精通した医師が、責任を持ってしっかりフォローいたします。呼吸器感染などで一時的に調子が悪くなった場合も、24時間対応で診療可能であり、入院も随時受け入れております。地域の保健センター、保健所、療育施設など、外部機関との連携にも、積極的に取り組んでいます。

 詳細は、大阪医科薬科大学病院 周産期センターのホームページもご覧ください。

主に、早産低出生体重児ですが、心臓外科症例を含め、新生児疾患全般を取り扱っています。

大阪医科薬科大学 超低出生体重児・超早産児治療成績(2008~2018)
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腎臓

診療内容と特色

われわれは小児期に発症する様々な腎・尿路疾患の診療を行っています。日本腎臓学会専門医の医師が診療にあたります。また、日本臨床腎移植学会腎移植認定医が、腎移植周術期も含めた腎不全管理も行っています。小児期に発症する腎疾患の多くが無症状で、学校検尿などの定期検査で発見される場合が多いことから、尿検査、超音波検査、MRI、CTなどの画像検査、また必要な場合には組織診断のための腎生検検査を組み合わせながら、診断を確定し診断に基づいた治療を行っています。

腎炎・ネフローゼ: 急性腎炎、慢性腎炎(IgA腎症など)、遺伝性腎炎(Alport症候群、Dent病、Lowe症候群など)、尿細管性アシドーシス、ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症
小児泌尿器疾患: 腎盂腎炎や膀胱炎などの尿路感染症の治療、水腎症や多嚢胞性異形成腎などの先天性尿路奇形(CAKUT)の内科的管理
急性・慢性腎不全: 急性腎不全や慢性腎不全における透析導入とその管理(腹膜透析・血液透析)、腎移植後患者の管理
急性血液浄化: 膠原病(SLE・抗リン脂質抗体症候群など)、消化器疾患(炎症性腸疾患など)、神経疾患(視神経炎など)、血液疾患(TTPなど)に対する血漿交換療法や白血球除去療法など
その他: 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS), ファブリー病などの希少疾患の診断および生物学的製剤、酵素補充療法など長期管理
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内分泌

診療内容と特色

 こどもの成長・発達に関連する様々な疾患を対象とし、心理・社会的側面にも留意し幅広い診療を行っています。また、教育委員会、各学校との連携も重要と考え、個々の患者さまが安全に学校生活を送れるよう配慮しています。

1型・2型糖尿病、肥満(プラダーウィリー症候群)、メタボリック症候群、低身長(成長ホルモン分泌不全性低身長、ターナー症候群、軟骨無形成症、SGA性低身長、ヌーナン症候群)、夜尿症、甲状腺疾患(クレチン症、橋本病、バセドウ病)、副甲状腺疾患、下垂体機能異常、性腺機能低下症、思春期早発症、骨粗鬆症、性同一性障害、思春期やせ症(摂食障害)、その他

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膠原病・アレルギー

診療内容と特色

●完全予約制、初診の方は地域医療連携室を介してご予約をお取りいただきます(紹介状要)。
 再診の方は担当医が診察時に次回予約をお取りします。

若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、小児期シェーグレン症候群、血管炎症候群(川崎病を除く)、自己炎症性疾患、その他の小児期膠原病・リウマチ性疾患一般

 

「小児期膠原病・リウマチ性疾患」の考え方

 子供は「リウマチ」にかかるのでしょうか?
 「膠原病」という病名に、何とも言えない不安を抱かれたことがありませんか?
 「恐ろしい病気?」「薬の副作用は?」
 「日頃してはいけないことは?」「将来はどうなるのか?」


 「小児期膠原病・リウマチ性疾患」は、カゼのように多くの子供がかかる病気では決してありません。しかし、現実に年齢を問わず(若年性特発性関節炎では1才のお子さんもおられます)病気に苦しむ子供たちがいます。残念ながら、今なお近代医学では原因が解明できない難病の一つではありますが、すべてが不治の病ではありません。しかも、近年小児リウマチの専門医達の研究と新しい薬の使用経験から、いち早く“病気と言う火事”を“消火”する、良い治療法が選ばれるようになってきました。
「小児期膠原病・リウマチ性疾患」は、病気そのものの特性に加えて“成長期である”という要素が加わり、同じ病名ではありながら大人とは異なった独特の経過を取ることが多いのです。
一番大切なのは「お子さん自身、ご両親、そして医療スタッフががっちり協力して共に明るく歩んで行くこと」、必ず道は開けます。
ひとりきりで悩んだり、自己判断の治療をされたりしていませんか?一緒に解決への糸口を見つけましょう、また、同じ悩みを持つ方々同志の交流や情報交換も積極的に行いましょう。

 

①若年性特発性関節炎:
(JIA) 

小児の慢性関節炎の病気です。中にはいろいろなタイプの関節炎があり、大人の関節リウマチに近い病気も含まれますが、全く違う種類の関節炎も存在します。昔は若年性関節リウマチ(JRA)と呼ばれました。頻度が多いのは全身型、多関節型、少関節型と呼ばれる3つの分類です。いずれも「これがでたらJIA」という特有の症状や検査所見はないので、他の病気ではないことを検査で確認していき、消去法的に診断を進めます。

  • 全身型:
    高熱、発疹、関節痛などで発症し、最初は風邪のように見えます。非ステロイド抗炎症薬やステロイドで治療をします。これらの治療で約50~70%はよくなりますが、残りのケースは何度か再燃したり強い臓器障害が起こったりするなど、難治性と呼ばれます。難治性の方では、生物学的製剤などの強力な治療を必要とすることがあります。
  • 多・少関節型:
    熱がでることはありますが全身型ほど激しい高熱ではありません。しかし関節の腫れと痛みが続き、放っておけばどんどん関節が変形したり固まったり(拘縮/こうしゅく)するのが特徴です。非ステロイド抗炎症薬で治療を開始しますが、効きが悪い例や多関節型では、メトトレキサートという抗リウマチ剤を併用します。治療がおくれると、関節が自由に動かなくなることにより日常生活の質が低下し、生活の制限も強くなります。また、特に少関節型ではぶどう膜炎という眼の合併症を起こすことがあるため注意が必要です。画像検査では造影MRI検査や関節超音波検査で早期に病気の本体である「滑膜炎(かつまくえん)」を評価することが重要です。
②全身性エリテマトーデス:
(SLE) 
小児期では成人期より重症かつ長期の罹患になる膠原病の一つです。したがって、合併症、薬剤の副作用、進学や家庭における色々な悩みなど、色んな問題と立ち向かって行かなければならない、息の長いおつき合いが必要な病気であることを理解しておかなければなりません。
内臓障害で重要なのは「腎臓」です。腎生検でその障害の程度を評価することは、治療方法を決める重要な要素になります。
ステロイド剤が治療の中心となることはいうまでもありませんが、それだけで疾患の活動性がおさまらない時には、種々の免疫抑制剤の併用により、なるべく早く疾患の勢いを鎮める必要があります。
③若年性皮膚筋炎: 成人期より小児期の方が予後の良い膠原病の一つですが、やはり診断が付いた時点で、ステロイド剤を中心とした治療で早く病勢を鎮める必要があります。
問題点は、十分な治療にもかかわらず
  • 筋症状がなかなか改善しない、治療を減らすと再燃するといった方。
  • 皮疹が残る方、しかも痒みが強いことが多い。
  • 皮下に「石灰」が沈着する方(皮下石灰症)。ぶつかると痛んだり化膿したりすることがあり、筋症状が落ち着いた後も残るため長期間ケアが必要です。
  • 間質性肺炎を合併する方。

といった難治例が約20~30%おられることです。
JIA、SLE同様、免疫抑制剤が必要になる場合もあります。

④生物学的製剤について: 最近様々な生物学的製剤が世にでてきました。現在若年性特発性関節炎に対しては炎症性サイトカインやT細胞の働きを抑えるなど5剤のお薬が使えるようになりました(アクテムラR、エンブレルR、ヒュミラR、オレンシアR、イラリスR)。また、15歳以上のSLEの方に対する自己抗体産生を抑制するお薬(ベンリスタR)、12歳以上の高安動脈炎の方に対する炎症性サイトカインを抑えるお薬(アクテムラR)、15歳以上の好酸球性多発肉芽腫性血管炎の方に対する炎症性サイトカインを押さえるお薬(ヌーカラR)、15歳以上のANCA関連血管炎の方に対するB細胞の働きを抑えるお薬(リツキサンR)などが使用可能です。
 現在のところ、使用が勧められるのは「それまでに十分な治療を行ったにもかかわらず治りきらない方」です。副作用や注意しなければならない点も多くあります。これらのお薬を使用することで起こるからだの変化については、十分な知識と情報を共有しあうこと大切です。
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アレルギー

診療内容と特色

●完全予約制、初診の方は地域医療連携室を介してご予約をお取りいただきます(紹介状要)。
 再診の方は担当医が診察時に次回予約をお取りします。

●資格:(社)日本アレルギー学会認定教育施設

●診療対象
 子供のアレルギー性疾患一般(小児気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、慢性じん麻疹など)

①小児喘息:
(小児気管支喘息)

小児喘息は最近増加傾向にあり、放っておけば日常生活はもとより、幼児では成長や発達に、学童では学校生活などに支障を来します。当科では、

  • 気管支喘息のしくみの理解
  • 血液検査によるアレルゲン(アレルギーの原因になるもの)の検索
  • 喘息日誌や呼吸機能検査を用いた発作パターンの評価
  • 喘息の病態に対する正しい理解、治療薬についての知識、正しい吸入の方法

などの説明を行い、個々の症状・生活にあった治療方針を決定しています。
小児喘息といっても一人一人違いがあります。自分にあった喘息との付き合い方を見つけて行きましょう。
当院では、難治性の方に対する生物学的製剤(ゾレアR、ヌーカラR、デュピルマブR)治療も行っています

②アトピー性皮膚炎:

多くのお子さんは適切なスキンケアや塗り薬できれいになります。「治りにくい」と思われている方はどこかにうまくいかない理由があるのです。一緒にそれを見つけていきましょう。

アトピー性皮膚炎の治療のコツは…
「ひどい“痒み”から早く解放してあげること」→“掻き壊す”ことが一番肌をいためるだけでなく、健常な生活も障害されます。夜眠りが浅くなったり、いらいらして落ち着かなかったりする生活は子どもの発達・発育にも影響を与えます。
「治療を根気よく続けること」→慢性の病気であり、体質的なものであることを理解してあせらず、こまめに治療と通院を続けましょう。
「保護者の方がゆったりとした気持ちでいること」→親が不安がったり、いらいらすると子どもにも伝わります。また、もし掻いてしまってもけっして強く叱らないであげてくださいね。
「根拠・証拠のない民間療法には注意」→よくなったり悪くなったりを繰り返すとついつい“体質改善”をうたった商品に気持ちが動きそうになりますが、真実を見極める目をもって、冷静に乗り切りましょう。
ー 不安・不信がつのって八方ふさがりになる前に是非、御相談を ー

当院では、難治性の方に対する生物学的製剤(デュピルマブR、コレクチムR)治療も行っています

③食物アレルギー:

食べるものにアレルギーあると、何を食べればいいの?と困ってしまいます。また、アレルギー症状がまた出るのが怖くて新たな食べ物に進めないことも。かといって成長期のお子さんに不必要に強い食物制限をかけると、栄養障害のリスクにもなるため独り合点は危険です。ぜひ専門医に相談しましょう。

「問診=聞き取りが重要」→ひどい症状が出れば診断は簡単ですが、そうとも限りません。何を?どれくらい食べて?どれくらいして?どこに?どんな症状が出ましたか? などなど、できるだけ詳しく教えてください。
「怪しいものの候補があがったら、検査で確認してみましょう(血液検査、プリックテストなどの皮膚テストなど)」

「最終的には、実際に止めてみて(除去テスト)食べてみて(負荷テスト)の確認です」→軽いものは外来で、ひどくなる可能性がある時は入院で行います。
また、食事制限を緩めて行く時も同様の手順で時期を決めます。

④その他: アレルギー性鼻炎、結膜炎、慢性蕁麻疹などにも対応しています。

当院では、ダニ、スギ花粉に対する舌下免疫療法(アシテアR、ミティキュアR、シダキュアR)や生物学的製剤(ゾレアR)治療もおこなっております

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循環器

診療内容と特色

 我々は、日本小児循環器学会の専門医修練施設として、小児のあらゆる心疾患の診療にあたっています。また成人先天性心疾患の患者様の診療も行っています。小児循環器のスタッフは5名で、小児心臓血管外科や麻酔科、看護師、臨床工学技士など、各部門のスタッフとも緊密に連携し、年間100件以上の先天性心疾患の手術の円滑な周術期管理を行っています。2014年からは胎児心エコー検査も開始し、2015年からは日本胎児心臓病学会の専門施設にもなっています。またセカンドオピニオンや他施設からのご依頼にも対応いたしますので、お気軽にご相談ください。


 年間循環器外来患者数:1710名
 循環器疾患入院患者数:187名
 心臓カテーテル検査:69件(カテーテルアブレーション 7件)
 心エコー検査:1023件
 胎児心エコー検査:50~70件

先天性心疾患、小児不整脈、後天性心疾患(心筋症、心筋炎、川崎病、Marfan症候群など)、小児肺高血圧症

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血液・腫瘍

診療内容と特色

 白血病・悪性リンパ腫を含む各種血液疾患から固形腫瘍全般にわたる小児血液・腫瘍領域すべての疾患について、小児関連各科との連携のもと診療を行っています。日本小児がん研究グループ(The Japan Children’s Cancer Group, JCCG)に属し、最新の治療研究を行うと同時に、個々の病状や取り巻く環境に応じた最適な治療を提供できるように心がけています。また日本骨髄バンク、臍帯血バンクの移植認定施設となっており、移植医療にも取り組んでいます。

腫瘍性疾患… 造血器腫瘍: 白血病、悪性リンパ腫
  固形腫瘍: 骨軟部肉腫(骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫など)、脳腫瘍(髄芽腫、上衣腫、胚細胞腫など)、神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、ランゲルハンス細胞組織球症など
血液疾患… 再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、先天性骨髄不全症候群、血小板減少性紫斑病、血友病、赤血球膜異常症、血小板機能異常症、原発性免疫不全症、血球貪食症候群、好中球減少症など
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