信頼は 、誠実から
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(心不全チーム、津田浩佑)
当科の研修では、心不全に対するガイドラインに基づく標準的薬物療法をただ実践するだけでなく、背景にある病態とエビデンスを踏まえて、「なぜこの薬を選択するか」、「いつ開始し、切り替え、増量・減量・中止を判断するのか」を、自ら考え、判断できる力を養います。さらに、患者さん一人ひとりの背景や血行動態に応じて、非薬物療法を含めた個別化医療を組み立てる力を日々の診療で磨き、全国どの医療機関でも通用する臨床力を備えた循環器医へと成長できます。
「とりあえず利尿薬」「血圧が高いから血管拡張薬」といった単純な選択ではなく、血行動態評価に基づいた治療により早期の症状緩和を目指します。心エコーや右心カテーテル検査から得られる血行動態指標を正しく解釈し、治療方針を立て、上手くいかなければ修正する、このプロセスを何度も繰り返す中で自然と実力が身につきます。血行動態を意識した治療が身につけば、心原性ショックなどの重症例に対しても自信を持って対応できるようになります。
心不全の背景には、虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、不整脈など、多様な心疾患が存在します。さらに心不全患者さんの高齢化に伴い、非循環器疾患を複数併存している症例も多く、それらも踏まえた治療選択とマネジメントが不可欠です。多くの心不全症例を経験する中で、循環器内科医としての力に加えて、一般内科医としての実力も自然と鍛えられ、心臓だけでなく全身を診るトータルマネジメント能力が身につきます。
亜急性期~安定期の診療としては、日常診療の中で以下のプロセスを体系的に指導しています。
心不全は再入院が多く、その予防のために退院後の生活まで見据えた介入が不可欠です。適切な薬物治療の調整に加えて、生活療法やリハビリなどの非薬物治療の視点も含めて支援を組み立て、患者さんのトータルケアに必要な総合力を養います。「退院したら終わり」ではなく、患者さんが日常生活に戻った後まで見据えた診療を、チームで丁寧に積み重ねています。具体的には退院後を見据え、入院中から次の点を意識して診療します。
当科では、臥位エルゴメーターを用いた運動負荷心エコー検査を積極的に実施し、無症候性の中等度弁膜症に対する治療方針の検討や術後評価、原因不明の息切れを呈する患者さんの原因検索などを行っています。
当科で毎週行われる心不全カンファレンスでは、全心不全入院症例を心不全チームと主治医で振り返り、問題点や悩みを共有し、一緒に改善策について考えます。
私たち心不全チームは、他大学・他病院の先生方とも積極的に連携し、学会や研究会を通じて症例や経験を共有しています。医局内だけで完結させるのではなく、偏りのない視点で学び続け、世界標準の診療レベル以上の水準を目指すマインドを大切にしています。
また、心不全データベースを活用した学会発表・論文発表などの研究報告も継続的に行っています。発表を通じて他者の視点からフィードバックを得ることは、自身の診療を見つめ直し、新たな気づきを得る貴重な機会です。さらに、研究を通じて培った視点や思考法は、日常診療における臨床判断や治療方針決定にも確実に還元されます。
心不全診療は、循環器診療の基礎から応用までを深く学べる分野です。また、心不全は一般内科救急対応を行う上で避けて通れない疾患です。当科心不全チームでは、若手医師が心不全に対して自信を持って対応できる確かな臨床能力を育てることを目指して、日々診療に取り組んでいます。心不全診療に興味がある方は、ぜひ一度見学にいらしてください。