最終診断
組織診断:Well Differentiated Squallmous Cell Carcinoma on bulla with invasion of thoracic wall
部位診断:左S4a、
根治度:絶対的非治癒切除
病理病期:p T3N2M0、病期 IIIA期
コメント:肉眼的に薄壁の空洞と、著しい胸壁浸潤を伴った高分化型扁平上皮癌の 一例であるが、本例は以下の点に関して興味深い症例であった。
1)既存のブラに接してまたは近傍に発生して特異な伸展形式をとった肺癌であった。
2)リンパ管侵襲、特に脈管系のリンパ管侵襲がきわめて強く、気管支断端より、脈 管系の断端が陽性となっていた。
3)胸壁浸潤においてもその傾向は顕著で著しい間質、リンパ管への浸潤がみられた。
組織学的にみてそのリンバ管侵襲の程度には著しいものがみられ、予測されるそ の予後は不良と言わざるをえない。