研究

研究 - research -

大学院における教育・研究活動

教育・研究指導方針

大学院ではわが国の疾病構造の変遷を理解し、その要因の解明と対策の樹立について予防医学的視点から学習する。
また関連する諸問題に関して知識を高めるとともに、健康影響を正しく把握し、評価するための疫学的考察力を習得する。

現在の研究テーマ

骨粗鬆症性骨折のリスク評価、骨粗鬆症と循環器疾患の関連についての検討

骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折が起こると、動脈硬化性疾患のリスクが上がるというエビデンスが報告され、糖尿病をはじめ、生活習慣病によって引き起こされる様々な病態が「骨・血管連関」に関与することが注目されています。1996年時に地域在住女性を対象に開始したJapanese Population-based Osteoporosis(JPOS)研究(https://www.ompu.ac.jp/u-deps/hyg/JPOS_Homepage/)の10年次追跡調査時に動脈硬化指標である頸動脈内中膜壁厚(IMT)値の測定を行い、ベースライン時に骨粗鬆症または推体骨折保有の閉経女性では、骨量正常もしくは骨減少症の者と比較して、IMT値が有意に高く、動脈硬化性疾患発症リスクが高まることが示唆されました。2015-2017年に実施したJPOS研究の20年次追跡調査においても、動脈硬化指標を測定し、骨粗鬆症や骨折既往、新規の骨折が、女性の動脈硬化の進展を早めるかどうかを検討します。
奈良県立医科大学が行っている疫学研究「高齢者のQOLと生活機能に関するコホート研究-藤原京スタディ-」の部分研究「男性骨粗鬆症研究」(主任研究者 近畿大学医学部教授 伊木雅之)(https://www.med.kindai.ac.jp/pubheal/FORMEN/index.html)の2017~2019年に実施した10年次追跡調査に当教室も参画し、動脈硬化指標(IMT、脈波伝搬速度)の測定を実施し、男性における「骨・血管相関」についても検討します。

健康寿命をのばす「たかつきモデル」事業

2017年度文部科学省私立大学研究ブランディング事業に難関を突破した採択課題「オミックス医療に向けた口腔内細菌叢研究とライフコース疫学研究融合による少子高齢中核市活性化モデルを基盤として」は、産学官連携体制で2017年度から3年間にわたり研究活動を行い、健康寿命をのばす「たかつきモデル」事業として継続しています。
当教室は、本事業(https://www.ompu.ac.jp/about/social_contribution/omics-health/index.html)に参画し、疫学研究グループとして活動を行っています(図参)。

ヒトの腸内細菌叢の構成は乳幼児期に確立されるとも指摘されていますが、口腔内細菌叢の構成過程と関連要因については未知の部分も多いと言われています。本研究により疾患特異的な口腔内細菌・細菌叢構成比に影響する個人の特性や生活習慣等の要因を明らかにし、これらの要因を加味した生涯にわたる健康増進・疾病予防、ひいては健康寿命延伸のための健康増進プログラムの策定を目指しています。活動概要は以下をご参照ください。

・大阪医科大学 研究シーズ&ニーズ集 Vol.6 (2021年3月)
・2017~2019年度 研究ブランディング事業の成果報告書

疫学研究グループではインターバル速歩、シニアコホート研究、母子コホート研究という3種の事業を進めています。

  • インターバル速歩

    「インターバル速歩」とは、速歩きとゆっくり歩きを数分間ずつ交互に繰り替えす速歩のことです。筋肉に負荷をかける「さっさか歩き」と負荷をかけない「ゆっくり歩き」を15分繰り返すことで、筋力がつき体力がアップし、生活習慣病の予防や改善につながるといわれています。また個人の体力に合わせて歩くスピードを調整できるので、中高年の健康づくりに適した運動として注目されています。インターバル速歩の詳細は熟年体育大学リサーチセンターをご参照ください。

  • シニアコホート研究

    65歳以上の方を対象に、口腔機能、口腔内細菌、血管の硬さ、体力等を調べ、その後の健康状態を追跡調査することで、疾患・要介護状態になりやすい生活習慣との関連を調査します。

  • 母子コホート研究

    妊婦の方を対象に、口腔内細菌を採取し、妊娠高血圧や早産などとの関連を調べます。また産まれた子どもの健康状態や口腔内細菌への影響なども長期的に追跡調査します。

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