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多発性嚢胞腎ADPKDに対するトルバプタン(サムスカ)治療について

のうほうがたくさんありますと言われたご経験がありますか?

多発性嚢胞腎とは腎臓に嚢胞(水がたまった袋)がたくさんできてしまい、腎臓の働きが徐々に低下していく、遺伝性の病気です。本邦の患者数は約30,000人と推定されています。病態としては両側の腎臓に嚢胞が無数に生じます。

多発性嚢胞腎には、常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease:ADPKD)と常染色体劣性多発性嚢胞腎(Autosomal Recessive Polycystic Kidney Disease:ARPKD)とがあります。

とくにADPKDは両側腎臓に多数の嚢胞が進行性に発生・増大し、腎臓以外の種々の臓器にも障害が生じる最も頻度の高い遺伝性嚢胞性腎疾患です。この病気の原因は遺伝子(PKD1、PKD2)の異常が原因と判明していて、この病気は遺伝することが分かっています。ご両親どちらかからの遺伝によりこの病気になります。そのため専門医による診断が必要と考えられます。

多くの患者さんは成人になってから症状がでます。しかし、小児期から高血圧などを合併することもあります。20〜40歳台まで無症状のことが多いですが、血尿や腹痛を来すこともあります。一旦嚢胞感染すると難治化、重症化しやすく、通常の抗菌薬治療に反応しない場合や再燃をくりかえす場合には、外科治療が必要になります。 徐々におこる腹痛は腎嚢胞の増大と腎腫大が進行したときにおこります。問題は、腎機能自体が進行性に悪化し、血液透析に至る場合があることです。平成26年4月よりトルバプタン(サムスカR)が腎嚢胞拡大を抑制し、腎機能を保護する薬剤として適応承認されました。

前向き試験の結果からトルバプタン(サムスカR)は血液透析の導入を遅らせる効果があることが明らかになっています。本疾患が難病に指定され、専門医による診断と申請手続きで、患者様の負担が軽減されました(厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業)。

大阪医科薬科大学 腎泌尿器外科では、多発性嚢胞腎の患者様を地域の先生から広くご紹介頂き、腎機能評価・画像評価から難病申請に至るまで専門医が診療に当たります。ご家族に腎機能低下が見られる症例など、本疾患が疑われる成人患者さんがおられましたら、広域医療連携センター「医療連携室」を介してご紹介ください。

 

 

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