生化学教室について

生命現象を分子レベルで理解するという生化学の本来の立場に立って研究活動を行っています。特にタンパク質の構造に基づいた機能の解明、タンパク質と低分子の相互作用の解明、そしてそれを通じて病態の分子論的理解と治療戦略の開発のための基盤を提供することを目指しています。

概要と特徴

スタッフは各自のテーマを持ち、大学院生や学生研究員を指導しつつ、自ら手を動かして研究を行っています。研究成果を発表する場は日本生化学会日本ビタミン学会などであり、論文の掲載誌は主として J. Biol. Chem. や Biochemistry など生化学の主要な雑誌です。全国的に見て、生化学の教室は細胞生物学的な研究に傾いているところが多いのですが、本教室は分子・原子レベルでの研究を重視しているところが特徴です。

教育・研究活動

生命現象を分子のレベルで解明することは、人体の生理と病理、さらに薬物の作用や感染症を本当に理解するために必要不可欠です。本教室では、教育に関しては学部学生・大学院学生を通じて「生体の機能を分子レベルで理解する力を養う」ことを目標として講義・演習・実習を行い、研究に関しては生命現象の主要な場である生理的に重要なタンパク質や低分子についての幅広い解析を行っています。

教授 矢野貴人

学歴

  • 1987年 大阪医科大学医学部 卒業
  • 1991年 大阪医科大学大学院医学研究科 修了

これまでの研究テーマ

部位特異的変異法や物理化学的な解析を用いた、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の触媒反応機構の研究で学位を得た。その後、Dept. of Chemistry, University of California, Berkeley(当時)の Peter G. Schultz 教授のもとで2年間、非天然アミノ酸のタンパク質への部位特異的な導入に関する研究を行った。次いで、進化工学的手法を用いて、酵素の基質特異性を改変し、酵素の耐熱化を行い、新たな生物機能をもった遺伝子を実験室内で進化させるといった研究を行ってきた。

現在の当教室の研究テーマについては「研究内容とスタッフ」のページをご覧ください。