手術材料
生:大きさ13 x l0 x 30 cm、重さl30gの左肺下葉で、炭分枕着は比較的軽度。S8とS6の境界部の外側に鈍な胸膜嵌入を認めるか腫瘍の露出はない。肺門には#9リンパ節が触知されるが腫大はなく、anthracosisのみで弾性軟である。胸膜嵌入の直下に直径2.5 X 2.5 X 2.5 cm の辺縁のやや不明瞭な腫瘤を触知する。
下肺静脈の内、肺底区に向かうものを静脈造影し、肺動脈側への流出を確認して 終了した。
肺底区の2ケ所でサンプル採取のため楔状切除が行なわれている。
伸展固定肺
肉眼所見:大きさ 14 x 11 x 8 cm の左肺下葉。炭分枕着は軽度、肺門に明かなリンバ節腫大を認めない。
S6とS8aの境界面、上下葉間面に接して外側にやや鈍な胸膜嵌入を認めるが、腫瘍の露出は明かでない。
割面では胸模嵌入の直下に1.5 x 2.0 x cm の境界不鮮明な腫瘤を認め、腫瘍割面中央部には強い炭分枕着を認める。
腫瘍と正常肺境界は明瞭ではなく徐々に移行するように見える。