教授挨拶

教授挨拶

教授挨拶

大阪医科薬科大学は京都と大阪に隣接し、JR高槻駅に近く、阪急高槻駅に直結するという非常に便利な立地条件にあります。私は1986年に同大学を卒業した後、京都大学医学部皮膚科学教室で医師としてのスタートを切りました。

そして大学院時代に私のこれまでのライフワークの原点であります色素性乾皮症(XP)、コケイン症候群(CS)の患者様、ご家族との出会いがありました。XP、CSは紫外線性DNA損傷の修復欠損で発症する遺伝性の難病で、研究面では光発がん、光老化や内因性老化のモデルとなる疾患です。米国国立衛生研究所への留学、兵庫県立尼崎病院皮膚科勤務を経て、1998年から浜松医科大学に転任し、XP・CSとその類縁疾患の診断センターを立ち上げ、主としてXP、CSの遺伝医療の発展に尽力してきました。またDNA修復という観点から皮膚老化、皮膚美容の基礎研究も行って参りました。


2005年に再び縁あって浜松医科大学から本学皮膚科に助教授として着任させていただき、2009年からは教室を主宰させていただいております。私の専門は光皮膚科学、美容皮膚科学、光生物学、分子遺伝学であり、今後も本学皮膚科学教室において「光」、「遺伝」、「アンチエイジング」をキーワードにした様々な臨床研究、先進医療の開発を行っていきたいと思っております。


本学附属病院では大阪北摂地区の基幹病院として重症疾患、悪性疾患、急性疾患に対応できる皮膚科診療を展開しています。最新の知見をもとに皮膚がんの集学的治療を積極的に行っています。また日本皮膚科学会の主研修施設として最先端の知識と技術を持ち自ら考え解決する高いモチベーションを持つ皮膚科専門医の養成を行っています。病診連携を大切にし、患者第一主義で最新・安心・安全・確実な皮膚科医療を地域に提供することが当科スタッフ全員のポリシーであります。私の専門は光線過敏症、遺伝性皮膚疾患であり光線療法にも力を注いでおります。また専門外来としては乾癬外来、爪外来、アトピー外来、腫瘍外来、しみシワ外来を開設しております。適応症例がございましたらぜひご紹介いただければ幸甚に存 じます。


今後、これまでの本学皮膚科学教室の伝統を守りつつ皮膚科学研究を進め、優れた皮膚科医を育成し、さらに高槻茨木地域の基幹病院である本学の皮膚科部門をさらに充実させていきたいと思っております。一般皮膚病から難治性皮膚疾患まで全ての皮膚病に悩まれる患者様に対して質の高い、安心、安全な医療が提供できますように皮膚科全スタッフ共々全力をあげて頑張らせていただきます。今後のご支援ご指導宜しくお願い申し上げます。


教室の歴史

大阪医科薬科大学は皮膚科医である松本信一先生(京都大学名誉教授)が1942年から1969年まで長きにわたり校長、学長をされ本学の教育、研究の発展に尽力されました。本学の発展の歴史の一部に皮膚科医の大先輩が多大な貢献されたことは現在の我々皮膚科スタッフの誇りでもあります。


大阪医科薬科大学皮膚科学教室の歴史は古く、1929年に佐谷有吉大阪大学教授が嘱託医として勤務したのが始まりです。その後三内健冶初代教授(1931年~)、栗原善夫教授(1939~)、1956年に皮膚科、泌尿器科が独立した後、安原稔教授(1974~)、清金公裕教授(1993~)へと教室の伝統が引き継がれ、主として皮膚腫瘍、特に皮膚付属器腫瘍の発生病理、皮膚悪性腫瘍発症におけるウィルスや癌抑制遺伝子の関わり、皮膚間葉系悪性腫瘍の抗がん剤耐性化機序などの研究で優れた業績をあげられてきました。


2009年4月からは現在の森脇真一が第5代教授として就任し、新たに光皮膚科学、光生物学、分子遺伝学、美容皮膚科学の分野を立ち上げました。本学創立当初より、自主性を重んじる自由な校風は今も変わらず、患者のためなら自ら進んで業務をこなす若いスタッフの多い、活気に溢れる明るい教室です。研究面では前述の松本信一先生による「学を離れて医はない」という言葉を忘れずに、「患者のためのclinically_oriented research」として主として遺伝性光線過敏症の分子遺伝学、細胞生物学に取り組んでいます。

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