患者さんに「寄り添う」とは?
自分の看護観を追求しています。

看護学部 第4学年野津 彩音 さん

大阪医科薬科大学の看護学部ならではの魅力は
どこだと思いますか。
医学部や薬学部との合同授業があるところです。医療現場で欠かせない多職種連携について学生のうちから学べるのは大きな魅力ですし、異なる専門職の視点や考え方を知っておくことは、看護を行う上でも役立ちます。また、大学病院が隣接しているため、医療現場を身近に感じられる環境も魅力。実習後は、現場で学んだことを大学ですぐに振り返ることができ、疑問も友人や先生に相談できるので、効率的に学べていると感じます。
4年次の実習の中で
特に印象に残っているものは
何ですか?
公衆衛生看護学実習です。学生5人でグループを組み、保健所・保健センターで実習をさせていただきました。病院では患者さんに1対1の看護を実践しますが、保健所や保健センターでは、個人から集団へ視野を広げることが大切になります。しかし、対象が地域や集団であっても、一人一人の背景や思いに寄り添うことに変わりはありません。根底には、看護の知識や姿勢が必要だと気付き、公衆衛生に関わることの面白さを感じました。
卒業論文で取り組んだテーマと内容について
教えてください。
テーマは、「インフォームドコンセントに同席した看護学生の気づきと行動変容」。実習において、患者さんの意思決定の場に参加させていただく機会があり、そこで患者さんがなかなか自分の思いを発言できない様子を見て、看護師の存在の重要性を実感したのがきっかけです。卒業論文を進める中で、他の学生からも有意義な体験だったという声がありましたが、同時に、学生がそのような場に参加する機会が限られていることを知りました。卒業論文を通して、学生や教員にインフォームドコンセントを学生のうちに経験することの大切さが伝わればうれしいです。
理想の看護師像は何ですか?
私が目指すのは、「患者さんに寄り添う看護師」です。講義や実習を通して、その看護師像が明確になっていき、「寄り添う」とは単に距離を縮めることではなく、その人に合った関わり方を見つけることだと気付きました。自分の思い込みにとらわれず、まずは相手を理解しようとする姿勢を大切にしたいと思い、この4年間で傾聴や共感を意識したコミュニケーション力について磨いてきました。

学びのステップ

入学前
幼い頃、病院に通うことが多かったのですが、大きな機械を使った検査が苦手でした。そんな時、やさしく声をかけて側にいてくださった看護師さんの存在はとても心強く、「私もこんな風になりたい」と看護師を志すように。高校では、友人も看護学部を目指していたので、切磋琢磨しながら勉強のモチベーションを維持できました。
13 年次
入学後は実習への不安があり、特に最初は、知識も技術も足りないので、仲間と一緒に支え合いながら毎回必死で目の前のことに取り組んでいました。それでも実習後には、講義で学んだ知識が自分のものになっていることを実感。回数を重ねるごとに、楽しいと思う気持ちが強くなっていきました。
4 年次
元々、助産師を目指していましたが、日々学ぶうちに成人の疾患に対するケアにより興味を持つように。3年次に受けた「公衆衛生看護学」の授業がとても面白く、将来の選択肢を広げるためにも、キャリアコースは看護師に加えて、保健師領域を選択しました。
将来の目標
卒業後は看護師としての経験を積み、ゆくゆくは認定看護師や専門看護師の資格も取りたいと考えています。特定の分野に精通する看護師がいれば、周りの医療職も心強く、患者さんも安心して相談できると思います。また、日本では高齢化が進み、医療現場でも看護師不足などの課題があります。私は、将来的に新人教育にも携わり、患者さんだけでなく看護をする側の人もケアしていけるようになりたいです。