研究内容
蛋白質合成マシナリーであるリボソームの機能制御機構解明（吉田)
100Sリボソーム
自然界において様々な環境に晒されている細菌は高度な適応システムを持っています。栄養飢餓、温度や浸透圧の変化などのストレス条件下では、細胞増殖が抑制され、細胞の形状や細胞壁の組成など多くの形態的・生理的変化が生じます。これら適応システムの一つとして、細菌では蛋白質合成マシナリーである70SリボソームにRMFやHPFという蛋白因子が結合すると、リボソームの蛋白質合成活性が抑制されます。これら蛋白因子が結合した不活性なリボソームは70Sリボソームの二量体であり、100Sリボソームと呼ばれています。
RMFやHPFの遺伝子を欠損すると細菌は100Sリボソームを形成できず、長期生存ができなくなります。このことはストレス下で蛋白質合成活性を抑制するシステムが細菌にとって重要な生存戦略であることを示しています。我々は、このリボソームが不活性化している状態を「Hibernation
stage（休眠段階）」と名付け、リボソームサイクルに組み込んでいます（下図参照)。
現在、この100Sリボソームの形成経路や存在意義を調べています。
１分子観察を用いたATP合成酵素（生体分子モーター）の動作原理探求(古池）
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細胞が環境に応じて変化させる遺伝子発現の制御機構解明(牧)
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