この疾患は右心室から肺動脈へ接続が完全に途絶えてしまったファロー四徴症であり、結果として右心室からの全ての血液がVSDを通って大動脈に流れ込みます。新生児期や早期乳児期には命をつなげるために動脈管を開かせたままにする必要があります(血液を肺に送るため)。
また、大動脈から肺動脈へと向かう血管の存在も必要です(側副血行)。この疾患の赤ちゃんは動脈管が閉鎖してくることに伴い、生後より多くの場合顔色が紫がかります(チアノーゼ)。早い時期に準緊急的に手術(シャント手術)が必要となります。この手術では小さな人工血管(ゴアテックス素材)を大動脈やその分枝(通常腕に行く動脈)から左または右の肺動脈の分枝に吻合します。根治手術(VSDの閉鎖と肺動脈と右心室流出路の再建)は、後にお子さんが大きくなってから(通常1−3歳)行われます。
通常弁構造を持った導管を右心室と肺動脈の間に繋げることが広く行われていますが、われわれはお子さんご自身の組織を使った修復に努めています。