心室中隔欠損(VSD)と肺動脈狭窄(右心室から肺動脈への出口が極端に狭い)が合併し、大動脈騎乗(大動脈がVSDに跨ってしまい、左心室と右心室の両方から大動脈に血液がながれてしまいます)と右心室肥大(右心室の筋肉が厚くなってしまいます)も伴うことが四徴であり、ファロー四徴症と呼ばれます。
肺動脈への出口が狭いことで、本来肺に流れる血液はVSDを通って大動脈に向かいます。肺循環血流は減少してしまうため、お子さんは紫がかった顔色や指先となります(チアノーゼ)。新生児期や早期乳児期では症状の出ない場合がほとんどです。チアノーゼは少しずつ強くなり、時々真っ黒になるほどにチアノーゼがひどくなることがあります(スペル)。
心雑音は症状のない新生児期より存在しています。乳児期または小児期早期に手術が必要となります。生後数ヶ月にあまりにひどいチアノーゼがあったり、スペルを繰り返す場合は、早い時期にシャント手術が必要になってきます。
この手術では、小さな人工血管(ゴアテックス素材)を大動脈やその分枝(通常腕に行く動脈)から左または右に肺動脈の分枝に吻合します。根治手術(VSDの閉鎖と肺動脈狭窄に解除)はこのシャント手術の約半年から一年後に行われます。