大きな欠損孔である場合は、左心室から右心室へと大量の血液が漏れ(短絡)、右心室と肺動脈の圧力と肺循環への血流が著しく増加します。
これにより心臓への負担がひどくなり、多くの場合に乳児期にこの欠損孔の閉鎖が必要になってきます。この肺循環の圧力と血流の増加は息切れ、ミルクのみ不良、そして体重増加不良を引き起こします。肺動脈の圧力が著しく増加している場合は早めの手術が必要になってきます。
時に欠損孔のサイズが小さくなり、心臓への負担が和らぎ、手術の時期を遅らせることができる場合もあります。左右の心室を隔てる心室中隔に欠損を生じますが、場所は様々であり、時にいくつも複数の穴が開いていることがあります。手術は多くの場合生後3−6ヶ月に必要となってきます。
欠損孔は人工の線維でできたパッチ(ゴアテックスやダクロンなど)を縫い付けて閉鎖します。穴のサイズが比較的小さい場合には手術の時期を遅らせることが出来ますが、感染性心内膜炎(VSDのジェット血流で細菌が心臓の内面に叩き付けられて、そこへ細菌が繁殖し発熱や全身感染を引き起こす状態。多くは弁を破壊します)などの合併症が時に生じ直ちに手術を必要とする場合があります。可能な症例は限られますが、年長のお子さんにはカテーテルによるデバイスでの閉鎖が諸外国では普及してきましたが、日本での現状はASDの項で述べた通りです。