左右の心房を隔てる心房中隔の中央にできた欠損孔(穴)が心房中隔欠損です。この穴を通って左心房の赤い血液(肺で酸素を沢山取り込んできていますので赤くなっています)が右心房に入り込み、右心室が拡大し、肺循環に沢山の血液が流れ込んでしまいます。
この心房中隔欠損症は割合多く発生し、左心房からの流入量(短絡量)によっては小児期に症状が出てくること(多量の短絡)や学童期以上になって(中等量以下の短絡)症状が出現することがあります。大人になれば症状は必発となってきます。
最近ではカテーテルによるデバイスでの閉鎖が欧米では一般的になってきましたが、日本では保険が適応される施設と手技を習得した医師が限られていることにより、残念ながら普及しておりません。またこのデバイスで閉鎖できる穴も限られています。手術は直接あるいはパッチを縫い付けて穴を閉鎖するものです。
手術を急ぐ必要のない場合は、安全に無輸血で手術ができる体重10−15Kgになった時点を手術時期の目安としています。問題がなければ手術後4−7日で退院できますので大きな負担とはなりませんが、春、夏、そして冬休みを利用して手術を予定することが一般的です。