様々な解剖学的問題により、心室が一つだけしかポンプとして使えない場合の最終到達点としての手術がフォンタン手術です。以下の疾患が対象となるカテゴリーとなります。
ただし、残念ながら全てのお子さんがフォンタン手術を受けることが可能とは限らず、下の条件を満たしていることが必要です。
お母さん、お父さんに知っていただきたいことは、フォンタン手術を受けた後にも、生涯にわたって病院でお子さんの経過を観察していかなくてはならないということです。フォンタン手術はいくつかの違った方法でなされますが、当院では現在世界的に標準術式となった方法(心外導管法)を行っており、出来るだけ多くの血液の流れを肺に送り込めるように努めています。手術直後を乗り切り退院できれば、少しずつ運動の程度が改善し、チアノーゼも軽減してきます。
手術後に残念ながら静脈の血圧が許容範囲以上に上昇すると(肺に血液が流れにくい状況を意味します)、様々な問題を生じたり、著しく低い心拍出状態になることがあります。この場合はフォンタン手術によって新しくなった血液の流れにお子さんが適応できないと判断され、もう一度手術によってフォンタン手術前の状態に戻さなければならない状況が時に発生します。