正常の心臓には4つの部屋、すなわち左右の心房(右心房、左心房)と左右の心室(右心室、左心室)があります。
心房は静脈を通って帰ってきた血液を集めるところです。身体⇒上下大動脈⇒右心房⇒右心室⇒肺動脈⇒肺静脈⇒左心房⇒左心室⇒大動脈⇒身体の順に血液が流れます。生まれたばかりではこの一方向の流れに加えて2つの血液の交通が存在しています。
一つは動脈管と呼ばれる血管で、大動脈と肺動脈の間を結ぶ交通を形成しています。もう一つは卵円孔とよばれる穴で、左右の心房の間に交通を形成しています。通常は生後数日して動脈管は閉鎖します。卵円孔は数週から数ヶ月をかけてゆっくりと閉鎖しますが、時に大人になってもスリット状に残ることがあります。
心臓内部の血液の流れは4つの弁によって調整されており、一方向にしか開かないスイングドアーのような作りになっており、血液を前方に送り出し、後方へ行かないように漏れない(逆流しない)ように働きます。大動脈弁、肺動脈弁(心室の出口からそれぞれの動脈を守っています)、僧帽弁、三尖弁(それぞれ左右の心房と心室の継ぎ目にあります)と呼んでいます。