脳腫瘍とは

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脳腫瘍とは

脳腫瘍とは、頭蓋骨の内部に発生する腫瘍の総称です。腫瘍は新生物とも呼ばれ、新たな組織の異常な成長が抑制なく続くものをいいます。頭蓋骨の内部には、脳・髄膜(ずいまく)・脳神経・下垂体(かすいたい)・血管などがあります。つまり、これらの組織(胎生期の名残りの組織も含めて)から発生する腫瘍をまとめて、原発性脳腫瘍といいます。これに対して、癌(がん)などが体の他の部分から転移してくる腫瘍を転移性脳腫瘍として原発性と区別しています。


脳腫瘍の発生頻度

脳腫瘍という言葉には悲惨なイメージがあります。しかし、原発性脳腫瘍の半数以上は良性ですので、手術で取り出してしまえば治癒してしまいます。また最近では、放射線で焼くだけですむ方法もあります。


脳腫瘍全体の内訳をみてみますと、原発性が85%、転移性が15%です。 原発性脳腫瘍の発生頻度は、人口1万人当たり1年間に約1人と報告されています。私たちの病院のある高槻市の人口は約36万人ですので、1年間に36人の人が新たに原発性脳腫瘍と診断される計算になります。転移性脳腫瘍も合わせると42~43人が脳腫瘍と診断されます。男性が女性よりも少しだけ多く、また高齢者ほど多くなります。


原発性の中には、髄膜から発生する髄膜腫が27%、脳下垂体(のうかすいたい)から発生する下垂体腺腫(かすいたいせんしゅ)が18%、神経を包む鞘(さや)から発生する神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)が10%含まれます。これら脳以外の組織から発生する良性腫瘍で半数を超えてしまいます。脳組織そのものから発生して神経細胞などの間に浸(し)みこむように発育(浸潤(しんじゅん))していく悪い性格の腫瘍は25%に過ぎません。