はじめに、チアノーゼや意識レベルの低下を認める症例およびショック状態(収縮期血圧90mmHg以下あるいは拡張期血圧60mmHg以下)にある症例は重症と判定する。
次に胸部レントゲン写真および身体所見による分類を行う。胸部レントゲン写真上の陰影の拡がり、体温、脈拍、呼吸数、脱水の有無より、軽症、中等症、重症にぶんるいする。
さらに、検査成績により重症度を分類する。
付記
下記に該当する場合は重症度を一段階重く判定する。
1.65才以上の症例で外来通院が困難な症例
2.感染症の経過および治療効果に重大な影響を及ぼすと考えられる基礎疾患・合併症を有する症例
・免疫低下状態:白血病、進行癌などの悪性腫瘍、AIDS、脾摘出後、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変
・誤嚥を来しやすい状態:脳血管障害、慢性アルコール摂取、食道・胃手術の既往、手術の既往
・慢性呼吸器疾患:肺気腫症、間質性肺炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、肺結核、じん肺、うっ血性心不全
注意点
白血球が10,000/mm3未満の場合でも、好中球が80%以上やあるいは桿状核20%以上の核左方移動を認める場合には、軽症の基準を越えるものと判定する。
胸部レントゲン陰影の点数は肺炎発症以前から存在した肺の器質的障害は、それを差し引いて評価する。
入院、外来治療の目安は、軽症、中等症例で脱水症状を伴わないものは、外来治療を、重症例および中等症で脱水症状を伴うものは入院治療を原則とする。