塩酸バンコマイシン vancomycin hydrochloride(VCM)




分子式
C66H75Cl2N9O24・HCl

分子量
1485.71


投与方法
VCM
 通常、成人には塩酸バンコマイシンとして1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごとまたは1回1g(力価)12時間ごとに分割して、それぞれ 60分以上かけて点滴静注する。
 高齢者には1回0.5g(力価)12時間ごと又は1回1g(力価)24時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。

 急速なワンショット静注又は短時間での点滴静注を行うとヒスタミンが遊離してred neck(red man)症候群(顔、頸、体幹の紅斑性充血、掻痒など)、血圧低下等の副作用が出現することがあるので、60分以上かけて点滴する。

TDM
有効血中濃度(ピーク値の目標)は            25-40μg/ml
トラフ値(最低血中濃度)の安全濃度域は、 10>
中毒域(ピーク値の上限)は、                    60-80<

最低血中濃度が30μg/mL以上が継続すると,聴覚障害,腎障害等の副作用が発現する可能性があると報告されている 。

ただし効かせる場合トラフを15-20μg/mlまで保つ場合もある。

TDMの測定時期
一般的には、その薬剤の半減期の4ー5倍時間
半減期は、VCM(5-6hr)であるので定常状態となるのは、VCM(20-30hr)

TDM softwareは塩野義製薬又は明治製菓に問い合わせること。