研究内容 現在の研究テーマと概要

造血器腫瘍とサイトカイン

1. 悪性リンパ腫の予後因子のなかで最も重要なものは組織型である。近年は病型分類にWHO分類が用いられ、各病型ごとの生命予後が明らかになりつつある。本邦ではB細胞腫瘍の中でびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma;DLBCL)が約60%を占めている。しかし、組織診断が基準となるDLBLは亜型が多く、ヘテロな集団であることが知られており、さらなる層別化が患者の予後改善のためには急務である。我々は、種々のサイトカインやケモカインの組織発現率を層別化マーカーとして予後予測モデルを確立することに取り組んでいます。



自主臨床研究

心電図R-R変動解析を用いたボルテゾミブ誘発性末梢神経障害の発症予測.

化学療法による治療継続のためには、副作用を予測し、最小限に抑えることが重要である。ボルテゾミブ誘発性末梢神経障害に対する明確な予測因子は提唱されておらず、正確な予測マーカーが必要とされています。本研究は、ボルテゾミブ投与前に施行した安静時心電図検査の心拍変動と、ボルテゾミブ誘発性末梢神経障害発症の有無の相関を調べ、末梢神経障害発症の予測モデルを確立することを目的とする。

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Multiple myeloma (MM) 患者骨髄におけるTNFα, receptor発現の解析と, これらを指標としたMM予後予測モデルの確立.

近年、多発性骨髄腫に対する、新規治療薬が次々と開発、臨床導入され治療成績が改善してゆく一方で、既存の予後予測はその進化に適応できているとは言い難い状況である。新規治療薬の治療適応を含めた多発性骨髄腫に対する予後予測モデルの開発は、円滑な臨床医療を実施する上で急務である。TNFαが新たな予後予測因子となり得るかを検討することにより新たな予後予測モデルを確立することを目的とする。

■お知らせ(PDFファイル)