「スーパースマート ホスピタルのこれから」OMPU―新築プロジェクトをリードされたのは、南先生だと伺っています。南 私は麻酔科で長年手術に携わってきて中央手術部の部長も務めていたので、プロジェクトの実務責任者を任されました。そこで2012年から中央手術棟建築の運営会議を何度も繰り返しました。会議には各診療科の医師はもとより、看護師、薬剤師から臨床工学技士にも参加してもらうなど、あらゆる関係者からの意見を集めて、その要望を可能な限り反映させようと取り組みました。会議には多いときで50人ぐらいが参加していたと思います。―完成から9年が経った今でも全国から見学者が絶えないそうですね。勝間田・現病院長(以下:勝間田) その理由は、先進的な設備が揃っているからでしょう。無菌に近い清潔度を保「24時間体制で断らない手術室」中央手術棟の新築について※記事の内容は、取材時のものであり、今後変更になる可能性があります。 大阪医科薬科大学病院 前病院長大阪医科薬科大学病院 前病院長大阪医科薬科大学 副学長大阪医科薬科大学 副学長医学部 麻酔科学教室 教授医学部 麻酔科学教室 教授大阪医科薬科大学病院 病院長大阪医科薬科大学病院 病院長医学部 胸部外科学教室 教授医学部 胸部外科学教室 教授2025年7月、植木實理事長の思いを具現化したスーパースマートホスピタルが全面開院します。これまでその実現のために尽力してきたのが南敏明・前病院長であり、これからの発展を担うのが勝間田敬弘・現病院長です。中央手術棟に始まる一連の企画に思いを込めて、先頭に立って推進してきた南前病院長と、その思いを受け継ぎスーパースマートホスピタルで温かい医療を患者さんに提供している勝間田現病院長に、これまでの経緯と今後の展望について語っていただきました。―はじめに中央手術棟の新築について伺います。そもそも、なぜ新たに手術棟を立ち上げる運びとなったのでしょうか。南・前病院長(以下:南) 以前の手術室では対応できないほど手術が増えていたからです。当時は13室体制で、年間9,000件を超える手術に対応していました。1室あたりの手術件数が年間700件となり、通常なら年間550件ぐらいとされる基準値を大幅に超えています。そのため緊急手術を受け入れなければならないときは、患者さんごとベッドを動かして何とか場所を作って対応するなど、ほとんど綱渡り状態だったのです。なんとしても「24時間体制で断らない手術室」を実現したい、これが中央手術棟立ち上げにあたっての基本理念です。 7 対談〜 医 療 の 質を高 めて、患 者さんに温 かい 病 院 へ〜 特 集南 敏明南 敏明勝間田 敬弘勝間田 敬弘
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