大阪医科薬科大学学報 7号
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Osaka Medical and Pharmaceutical Universityvol.10大阪医科薬科大学の“チーム”の一員である部署をピックアップしてご紹介します。▶薬剤部OMPUの28薬物療法の有効性と安全性を確保するために実践している日々の業務についてご紹介します。患者を守るさまざまな仕組み/システムの導入と運用セントラル業務では、基本的な患者情報や薬剤名・用法用量等に加えて、直近の検査値データやアレルギー情報、ハイリスク薬の処方歴、薬物相互作用などの情報を処方箋に印字し、質の高い処方監査を可能にしています。調剤エラー(多規格、名称類似薬、数量間違いなど)を回避するために画像監査システム〔KC-ai〕を導入し、調剤時のヒヤリ・ハットはほぼゼロになりました。患者背景に応じた一包化調剤では、自動錠剤分包機〔Ci〕を用いて調剤時間の短縮を図り、分包後は錠剤一包化鑑査支援システム〔MDM〕を用いることで人為的ミスはほぼゼロとなりました。また、院内約30カ所におよぶ医薬品保管場所の温度監視システム〔ACALA〕を導入し、異常値発生時には調剤室でアラームが鳴り、管理者にメール通知され、即時対応することが可能になっています。臨床業務、チーム医療への貢献化学療法センターには抗がん剤調製支援装置〔DARWIN Chemo〕を導入し、薬剤師業務の削減と閉鎖式器具のコスト削減を実現しています。さらに化学療法センター、ICU、EICUでは注射薬混合鑑査システム〔AddDis〕を導入し、処方オーダと薬剤の秤量値まで照合し混合調製ミスを防止しています。AI機器やシステムと薬剤師の技能を組み合わせることで、対物業務の効率化と安全性を向上させ、対患者業務、専門医療チームへの貢献・充実化を図っています。ICT、NST、がん領域、緩和ケア、周術期管理、術後疼痛管理、糖尿病や肝臓病領域、医療情報管理、医療安全など診療に関わるすべての医療チームに資格を有する薬剤師を配置し、医師、看護師、その他スタッフと協働しています。臨床現場では、患者さんやご家族への服薬指導・説明はもちろん、医療スタッフへ薬剤に係る安全性情報を提供、研修会も開催しています。また、タスク・シフト/シェアを推進、化学療法センターや中央手術部、消化器内科や整形外科など6カ所の病棟で薬剤師による代行オーダを行っており、更なる拡大も計画中です。代行オーダの結果、病棟では処方切り替え時の修正率が著明に低下するなど効果がみられています。薬の専門家・責任者として“気付き行動できる薬剤師”を目指し、医薬品適正使用の推進に能動的に取り組んでいます。安全で良質な薬物治療を提供するために安全で良質な薬物治療を提供するためにチーム医療の要として「薬あるところにチーム医療の要として「薬あるところに薬剤師あり」を実践します薬剤師あり」を実践します

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