大阪医科薬科大学学報 6号
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Osaka Medical and Pharmaceutical Universityディスレクシア啓発月間実行委員会ホームページ ▲ディスレクシア月間2023. 10. 01−10. 31ディスレクシアだから大丈夫Go Red For Dyslexiaココロコラム ホームページ ▲2023年10月1日〜31日まで、2023ディスレクシア啓発月間実行委員会による「All Japan ディスレクシア月間2023」が開催されました。発達性ディスレクシアは、大脳の機能の問題で、“正確に流暢に(すらすらと)読み書きできない”症状を示し、小学校入学後の学習初期から、社会生活を送る上でも広く影響があります。LDセンターは共催団体の1つであり、この期間には、特別講演「ディスレクシアを知ろう!−基礎知識と教育支援−」というテーマで、講演会を開催しました。講師に、藍野大学医療保健学部・LDセンター顧問若宮英司先生、大阪市教育委員会インクルーシブ教育推進室 山田充先生をお迎えし、奥村智人特任講師(小児高次脳機能研究所・LDセンター)司会のもと、講義だけでなくディスカッションを含めた講演形式は、初めて学ぶ方々にも分かりやすく、オンデマンド配信も含めて約2,400名の方々に広く視聴いただきました。発達性ディスレクシアは、日本では人口の約8%(1クラスに3人程度)いるとの報告がありますが、その困難さは外からは分かりにくく、当たり前に文字があふれる社会で学習や生活を送る際には、たくさんの障壁が存在します。学び方の選択肢が広がり、一人ひとりに合った方法が選択できる学習環境や社会環境が整うよう、今後もさらに医療・教育・福祉の連携が進むために、まずは「見方」を変えて、「味方」を増やそうという大きな一歩を踏み出せたと思います。*「あらゆる人が孤立したり、排除されたりしないよう擁護し、社会の構成員として包み、支え合う」という社会政策の理念今年度、阪急阪神ホールディングス株式会社との事業連携の一環として、「健康情報誌Well TOKK」に発達障害に関するリレー連載を行いました。第1回「ウチの子、ちょっと気になる?」では、福井美保副センター長(小児科学教室)が発達障害を理解するための基本の解説を行いました。第2回「文字はどうやって読めるようになるの?」では、水田めくみ言語聴覚士が学習障害(LD)の中心である発達性ディスレクシアについて、第3回「周りとちがう、はダメなこと?」では、栗本奈緒子言語聴覚士が自閉スペクトラム症(ASD)について、第4回「叱られてばかり、は誰のせい?」では、奥村智人特任講師(小児高次脳機能研究所・LDセンター)が注意欠如・多動症(ADHD)について、それぞれの特性や気づきのポイント、支援方法を解説しました。「健康情報誌Well TOKK」は、阪急阪神沿線の駅や街中など一般の方々の目に触れる無料配布の情報誌で、モバイル機器からのアクセスも可能です。ウエブ記事公開後のオンラインアンケートでは、さまざまな年代や職種の方からのお声が届き、インクルーシブな社会*の実現をめざす一助となれたことを実感できました。LDセンターLDセンター24病院ボランティアグループ「ふれあい」の皆さんへのご支援をお願いいたします。ディスレクシア月間健康情報誌「Well TOKK」リレー連載5152

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