2023年10月3日、初期研修医対象の消化器外科手術手技ハンズオンセミナーを開催しました。今まではこのようなセミナーを開催したことは無かったのですが、外科医不足が深刻であること、一方で研修医からもセミナーのニーズがあることをうけて、初の試みとして企画させていただきました。今回は、豚皮を用いた真皮縫合、人工モデルを用いた人工肛門造設及び閉鎖術、人工モデルを用いた腹腔鏡下胆嚢摘出術の3種類のトレーニングを用意しました。参加者は、すでに進路が決まっている2年目の先生やまだ進路が決まっていない1年目の先生など広く募集し、総勢24名参加していただきました。平日夕方から2時間という短い時間でしたが、盛況のうちに終えるこ消化器内視鏡センターでは、日々、上部・下部消化管内視鏡検査に加え、胆膵内視鏡検査も盛んに行っています。胆膵内視鏡検査は、特に専門性が高く、高度の技術を要するため、年間に施行できる検査数は一般的に少なく、また、できる施設も多くないのが現状です。当院は胆膵内視鏡検査に力を入れており、その検査数、治療技術は日本有数として知られております。今回は、光栄なことにヨーロッパ内視鏡学会附属のEUS Skyline(イタリアが主開催国)という催しにお声がかかりました。EUS Skylineは、世界22カ国、3,000人以上が参加し、各国の代表施設が順に胆膵内視鏡の動画配信を行います。本邦では、唯一当院にのみ参加の依頼がありました。当院にとって初めての試みであり、準備段階から非常に困難を極めましたが、病院長、病院看護部、医療総合管理部、情報企画管理部、麻酔科、庶務課、臨床工学室、個人情報保護委員会、薬剤部など、多くの方々に支えられ、無事開催することができました。実際には、超音波内視鏡下胆管胃吻合術(EUS-HGS;胃内から肝内胆管を超音波内視鏡下に穿刺し、金属ステントを肝内胆管から胃内に留置する手法)の動画配信を行いました。EUS-HGSは、本邦が牽引している手技で、当院の施行症例数は日本トップクラスですが、英語で解説を加えながらなので、普段とは勝手が違いましたが、無事終了することができました。大阪医科薬科大学病院胆膵内視鏡を存分にアピールできたものと思っています(開催の模様は、二次元コードを参照ください)。また、企画・広報課の協力のおかげで、動画の様子は、OMPU一色となり当院のアピールにもつながったと思います。大阪医科薬科大学病院の胆膵内視鏡チームは、スペインやインド等にも招聘され、海外活動を盛んに行っています。消化器内視鏡センターの胆膵内視鏡は今後も世界を視野に活動してまいります。何卒今後もご指導ご鞭撻いただければ幸いです。最後にEUS Skyline開催にご協力いただきました関係部署の方々と胆膵内視鏡の仲間達、何よりもご協力いただきました患者さんに深く感謝申し上げます。とができました。アンケートでも、新鮮でインパクトのある体験だった、今まで消化器外科に興味が無かったが興味が出てきた、といった声を多くいただけました。今回のセミナーが研修医の実技トレーニングに役立ち、消化器外科を志望する先生が1人でも増えてくれるよう、今後も継続していきたいと考えております。教授開催前挨拶豚皮を用いた真皮縫合一般・消化器外科学教室 助教 富岡淳消化器内視鏡センター 副センター長 小倉健人工肛門造設術腹腔鏡下胆嚢摘出術消化器内視鏡センター ▲Osaka Medical and Pharmaceutical University10消化器外科手技ハンズオンセミナーを開催しました消化器内視鏡センター胆膵内視鏡ライブ配信を行いました1112
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