vol.6病理部は、患者さんから採取された組織や細胞の標本(プレパラート)を作製し、顕微鏡観察下で病理診断を行う部門です。疾患の種類を確定するほか、進行度の評価や治療方針の選択に必要な情報を臨床へ提供しています。現状では、病理医、臨床検査技師(細胞検査士を含む)、技術補助員、事務員の多職種(兼務を含む)で構成され、医学部病理学教室と一体となって業務にあたっています。病理業務は多職種連携が重要です。まず組織診断は、手術摘出臓器や生検された病変の一部を、ホルマリン固定後に臨床検査技師が標本作製し、病理医が診断します。詳しい検索が必要な場合には、多種類の免疫染色や特殊染色をOsaka Medical and Pharmaceutical University38大阪医科薬科大学の“チーム”の一員である部署をピックアップしてご紹介します。▶病理部・病理診断科OMPUの行うこともあります。細胞診断では、子宮頸部、喀痰、尿のほか、ブラシや針穿刺により採取された各種の細胞を、まず細胞検査士が鏡検します。前癌病変を含む腫瘍性変化を疑った場合には、細胞診専門医(病理医)が診断確定を行います。術式決定に必要とされる場合には、手術中に迅速診断を行います。手術部からの検体搬送は主に技術補助員が担っており、その連絡があれば直ちに手術部に駆けつける体制となっています。運ばれた検体は通常と異なる方法で迅速に標本化され、病理学的評価ののち、速やかに手術室へ報告されます。この術中迅速診断は、検体提出から報告まで30分程度という時間制約のもとで行っており、多職種連携なくしては実施できません。近年、患者さん一人一人に適した治療法が選択されるようになり、コンパニオン診断やがん遺伝子パネル検査が増加しています。病理部はこの新たなニーズにも対応しており、これらの検査は病理標本を用いて行われるため、国際基準を満たす標本作製が求められるようになってきました。そのため、中央検査部をはじめ各部署のご協力のもと、国際規格であるISO15189認定を目指すことになりました。この規格では、検体固定から診断まで細かな精度管理が必要であり、ますます大変になりますが、部門一丸となって引き続き尽力してまいります。的確な疾患診断、的確な疾患診断、最適な治療への案内最適な治療への案内
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