大阪医科薬科大学学報 4号
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OMPU2021年に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合し大阪医科薬科大学となりました。これを受けて同年11月には学部間共通のテーマを調整するために教育、研究、入試・広報、国際交流の機構を整備し、後に学生支援機構を加えています。2023年1月に国際交流機構を国際交流センターに移行し、4月には入試・広報機構をアドミッションセンターに移行します。学部間の共通課題を見出し、大学全体の運営強化を図る体制について佐野浩一学長にお話いただきました。ての課題でした。 その過程で看護専門学校の校長を仰せつかり、看護学部の設置に至りました。単科大学だった以前の大阪医科大学に2つめの学部ができ、アメリカのUniversityとSchoolの関係を肌感覚で理解できるようになりました。Universityの中にSchool(学部)が存在し、Schoolの中にFaculty(学科)がある。 大学とは何かについて自分なりの考えがまとまり始めた時期が統合直前であり、そのタイミングで学長に就任させていただきました。統合により、いかにまとまりある医療系総合大学となるかが学長就任時の課題となりました。 3 大学統合により 医療系総合大学を目指す 日本でも有数の医療系総合大学を目指した大学統合から2年が過ぎました。この間2022年10月1日には「大学設置基準等の一部を改正する省令」が制定されています。この改正では教員の要件や教員数に関する見直しが行われたほか、規制を緩和する制度も新設されるなど大きな変更が行われています。 振り返れば本学は長い間、単科大学でした。単科大学とは一つの学部がそのまま大学となる組織であり、その学部の考え方だけで大学として成立しています。ところが3学部体制となり、改めて大学とは何か、学部とは何か、さらに大学と学部の関係について考え直す必要が出てきました。 より根源的なテーマ「そもそも大学とは何か」については私自身も長い間ずっと考え続けてきました。そのきっかけとなったのは、実は約30年前に行われた1992年の大学設置基準の大綱化です。これ以来、大学のあるべき姿を明らかにすることは私個人にとっ■ 学部相互に良いところを取り入れる 旧大阪医科大学では看護学部を設立した段階で、教授会の運営改革の取り組みがありました。当初は医学部と看護学部の合同教授会を開くなども試みられましたが、それぞれ抱えている課題が異なり問題意識も違いますから簡単にはまとまりませんでした。そのような経験から、今回の統合では学部を横断する機構体制を整備し、共通性のある個々の項目について、まずは情報交換から始めて然る後に調整を図るよう配慮しました。 大学は学校教育法に基づいており医療法を根拠とする大学病院とは異なる組織で、大学の学長と大学病院の病院長は組織においては対等の位置づけです。学生は、大学設置基準に基づいて大学とは法的根拠の異なる病院という現場で実習することになります。そこで大学統合以前から看護学部と病院看護部、旧特 集学部の独自性を尊重しつつ大学の大学の統一性確立へ統一性確立へ

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