大阪医科薬科大学学報 4号
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Osaka Medical and Pharmaceutical University34vol.5内科、外科をはじめとする様々な診療科で日々行われている輸血は、現代の医療に不可欠な治療法です。輸血で用いる血液製剤は、献血により提供された血液から赤十字血液センターで製剤化され、医療機関に供給されます。輸血室は、当院内の輸血に関する全ての業務を集中的に一括管理する部門です。私たちは輸血用血液製剤を24時間体制で管理し、安全に輸血を行うための必要な検査などを行った後に、患者さんに届けています。輸血は最も身近な「臓器移植」ですので、安全に正しく実施するためのプロセス管理が重要です。そこで、私たちは院内各部署で勤務する10数名の学会認定・臨床輸血看護師、いわば輸血現場のプロフェッショナル看護師と密に連携を取りながら、多職種チーム医療として、より質の高い輸血を追求しています。しておきたいと考えるのが自然です。しかし、輸血用血液製剤は献血者から日々提供されている血液の成分そのものですので、期限があり、供給量にも限りがあります。ひとたび新型コロナのような感染症が蔓延すると、献血者が減少して輸血用の血液は不足してしまいます。緊急事態でも迅速かつ安全に輸血を行い、なおかつ貴重な輸血用血液製剤を無駄にしない管理体制を維持するために、私たちは、院内各部署のみならず血液センターを含めた多職種との連携を深め、命を繋ぐリレーチームとしての取り組みを強化しています。献血者の善意を無駄にすることなく、患者さんに最良の輸血医療を提供するため、命のリレーの最終ランナーとして、私たちは日々全力を尽くしています。大阪医科薬科大学の“チーム”の一員である部署をピックアップしてご紹介します。▶大阪医科薬科大学病院また、輸血療法に携わる各職種から構成される「輸血療法委員会」を毎月開催して、輸血に関する最新情報を共有しています。このような取り組みは第三者機関からも高い評価を得ており、当院は日本輸血・細胞治療学会の「輸血機能評価認定制度(I&A制度)」の認定を取得、2009年以来、維持し続けています。当院のように「安全で適正な輸血医療を実施している」とお墨付きを与えられた病院は、全国で170病院、大阪府下ではわずか3病院です(2022年12月現在)。輸血を必要とする患者さんの病状は様々です。激しい出血を伴う患者さんを救うために一分一秒を争って輸血を必要とする状況に直面することも少なくありません。そのような状況に備えて、院内でいつでも輸血を行えるようにできるだけ多くの輸血用血液製剤を常備OMPUの輸血室献血者から提供された血液を患者さんへ繋ぐ命のリレーのゴールまで献血者から提供された血液を患者さんへ繋ぐ命のリレーのゴールまで~安全で質の高い輸血医療を提供するために全力を尽くしています~安全で質の高い輸血医療を提供するために全力を尽くしています

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