大阪医科薬科大学学報 4号
34/36

BWHのLabで同僚とBWH Department of Dermatology, Holiday PartyChristmas Party, Dr.Schmultsの自宅にて大学院時代に解剖学教室で指導の二木杉子先生に出会え、基礎研究を学ぶ機会と環境に恵まれました。次に、国際学会に演題を出させていただいたことも大きな転機となりました。そこで現地の研究者等と国際交流が始まり、海外留学の興味が芽生えました。臨床と基礎研究の経験から、腫瘍免疫学と進行性有棘細胞癌の基礎研究を学びたいと願っていた中、解剖学教室の近藤洋一教授から論文に記載されているPrincipal investigator (PI)のメールアドレスにメールしてみると良いと教えていただき、自分が読んだ論文のLab数カ所にメールを送りました。返事をいただいた1つが現在所属しているBrigham and Women’s Hospital, Department of DermatologyのDr. Schmults Labでした。助成金の獲得が研究室受け入れの条件でしたが、皮膚科学教室の森脇真一教授に留学の意思を御理解いただき、奨学金の獲得に動いてくださったため、幸いゴールドマン・サックス若手医師長期海外留学支援奨学基金をいただく機会に恵まれ、晴れて留学が決まりました。私の所属するLabのPIであるDr. Chrysalyne SchmultsはMohs surgery部門の部長で、Brigham and Women’s Hospitalで独自に有棘細胞癌のStagingを確立された先生です。その後、米国癌合同委員会のStagingと比較して、そのBrigham Stagingの予後の有用性・正確性が高いことが報告されています。私はBrigham cohortから選別された患者さんのサンプルを使用して進行性有棘細胞癌と変性した間質異常のメカニズムについて研究継続しています。研究生活で印象的だったことは、米国はITが進んでいて何でも対応が速いことです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった際は、突然Labがcloseし現場での実験ができなくなりましたが、翌日からonlineでノートパソコンからLabのデスクトップにアクセスが可能になっていました。またZoom meetingの体制も速攻で準備されたので、研究解析、meetingの中断がありませんでした。生産性が落ちないように、教育機関として環境の設備が充実していると感じました。department of dermatologyは年間3回のPartyがあり、さらにDr. Schmultsが自宅でPartyを開いてくれます。最近Holiday Partyがあり、みんなで楽しく過ごす時間、Dr. Schmultsから心温まる手紙やギフトをいただき感動しました。ボストンで出会う友人・同僚達は良い意味でambitiousです。彼らの目標・人生観を見聞きし、刺激を受けた私の人生観は大きく変わりました。その影響は大きく、今後、より上を目指し広い世界で生きたいと考えるようになり、ここで築いている人脈は私の一生の宝になっています。私の海外留学記が、海外留学を考えるきっかけになれば幸いです。そして、現在もこの巨大な研究施設に身を置き、Dr. Schmultsと同僚・共同研究者達と良好な関係を築き研究を継続していることは、幸運以外の何ものでもありません。この縁と人脈を大切にこれからも切磋琢磨・精進していきたいと思う所存です。最後に、私の留学に携わって頂いた全ての方に感謝申し上げます。33OMPU平川 結賀 非常勤医師留学のきっかけ研究生活ボストンで出会う人々最後に

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る