大阪医科薬科大学学報 4号
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研究機構LDセンター落語家 柳家花緑氏、藍野大学 若宮英司先生、LDセンター 水田めくみ先生LDセンターHP教育機構LDセンター教育機構の主催により「第1回3学部合同FD-高等学校の『情報科科目』と本学における『数理・データサイエンス・AI教育プログラム』を考える-」を開催。「情報」の教科書を執筆された京都市立堀川高等学校の藤岡健史先生をお迎えし、薬学部 永井純也教授の司会進行のもと本学の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」の発展に繋げるため、高校での授業や実践について講演いただきました。日 時:2023年1月30日(月)場 所:看護学部講堂 (対面・オンライン 併用)内 容:佐野浩一学長、内山和久教育機構長ごあいさつ    京都市立堀川高等学校 藤岡健史先生ご講演2022年12月に大阪医科薬科大学として初版となる、3学部の研究活動をまとめた「研究機構年報2021」を研究機構として発行しました。2021年11月に設置された研究機構では、医薬看の3学部間での情報交換と大学に共通する課題の解決に取り組み、学内外における研究学術交流や産官学連携事業を推進しています。新型コロナウイルス感染症は拡大と収縮を交互に繰り返しながら、すでに3年近くLDセンターに通う子どもたちの生活にも多くの影響を与え続けています。そんな中、「LDセンターに指導訓練に通う子どもたちに、少しでも季節の楽しみを感じてほしい」と、顧問の竹田契一先生より今年もたくさんのおもちゃをご寄付いただきました。そこで、12月の指導訓練後には、くじ引きでおもちゃのプレゼントが当たる抽選会を開催しました。同じグループで学ぶ友達同士、去年もらったプレゼントのことを報告し合ったり、自分が引いたくじの番号を見せ合ったりした後、少し緊張しながら受付でおもちゃを引き換えてもらう姿に、スタッフみんなでこの1年の子どもたちの成長を実感することができました。ウィズコロナの下での日常生活や教育環境の変化を機敏に捉えつつ、心豊かに過ごせる場所や時間の大切さも忘れず過ごしたいものです。ディスレクシア(読み書き障害)という学習障害(LD/限局性学習症)があることをご自身の本の中で公表された落語家がいらっしゃいます。五代目 柳家小さん氏を祖父にもつ柳家花緑(やなぎやかろく)さんです。花緑さんは、2018年にNHK「発達障害って何だろう」キャンペーンの番組に出演されました。番組収録に当たり、LDセンターで花緑さんの認知・学習評価を実施できないか、とテレビ局からの取材依頼を受けたことがご縁となり、この度、花緑さんとLDセンタースタッフの対談が実現しました。1994年3月に最年少で真打昇進を果たすなど、落語界では華々しい経歴でご活躍の花緑さんですが、小学校入学以降、“文字をすらすら読めない”“漢字の読み方が分からない”ことで学習の時間は苦痛が大きかったこと、“努力するように”と繰り返し叱咤激励されても、なぜ皆のようにできないのか、どうすれば読めるようになるのかご自身では分からなかったことを、心に届く語り口でとても分かりやすく、時に笑いも交えてお話しくださいました。音楽・美術などでは難なく能力を発揮でき、人前での楽器演奏など得意なこと・好きなことが心の支えになった一方で、現在も落語だけではない幅広い芸能活動の中で、読み書きの難しさを持ちながらの下調べや準備に「脳がとても疲れる」こともお話しくださいました。話題は、外から見て分かりにくい生きづらさを持つ人々も活き活きと暮らせるバリアフリーの社会を目指すためにどうすればよいか、という壮大なテーマへと発展しましたが、対談の冒頭には藍野大学特任教授若宮英司先生の発達障害に関する基礎知識の講義もあったため、当事者としての視点を理解しつつ、支援・配慮のヒントや工夫を考えながら学ぶことのできる貴重な機会を全国からお申込みをいただいた視聴者の方々に提供することができました。第1回3学部合同FDを開催しました「研究機構年報2021」を発行しましたクリスマス抽選会Web講演会:落語家 柳家花緑さんとの対談19OMPUOMPU TOPICS※記事の中の名称や肩書き等は、当時のものです。43444645

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