大阪医科薬科大学学報 3号
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5OMPU̶ほかにも人にやさしい配慮がいくつもなされていますね。南病院長 「目にやさしいデザインを」と考え「バイオフィリア」をデザインコンセプトに、院内にいながらでも患者さんに自然を感じてもらえる空間づくりに力を入れました。高槻の豊かな自然を取り入れて、各病棟に高槻の四季の彩りを描いています。星賀副院長 スタッフに対してもきめ細かな配慮を反映した設備を揃えています。その一例が12階に導入された抗がん剤のミキシングロボットです。調剤をロボットに任せて曝露リスクを低減するだけでなく、ロボットは一晩中自動で動いてくれるので調剤スタッフの労力を大きく軽減してくれます。ミキシングロボットの導入は日本でも当院が4台目となる先進的な事例です。中山看護部長 病棟内にリハビリテーション室が設置されたのも画期的な取り組みです。少しでも早い段階からリハビリに取り組んだ方が良いケースは数多くあります。そこでわざわざリハビリ̶きめ細かく考えられた設計の中では、学生への教育効果も重要なテーマだったと思います。中山看護部長 A棟ではスタッフステーションに隣接する形で学生向けのカンファレンス室が設置されています。学生にとっては現場の臨場感に浸りながら実習を受けられる場が整えられていて教伝がかなり下手ですね。せっかく患者さんのための取り組みを充実させているのだからもっとアピールすべきでは」とアドバイスいただいたのもリニューアルに取り組む大きなきっかけとなりました。テーションセンターまで行かなくてもより気軽にリハビリできるようにと循環器内科、整形外科、脳神経外科の病棟内にリハビリテーション室が設置されました。患者さんの負担を軽減すると同時に早期の社会復帰につなげるための施設です。負担軽減については、化学療法センターの増床により患者さんの待ち時間が軽減するほか、カテーテル室(低侵襲血管内治療センター)も新たに開設するなど患者さんの負担がより少ない治療にも取り組んでいます。星賀副院長 早期リハビリのできる設備は本当にありがたいです。しかも最新式のエルゴメーターが入っていて、これは負荷がマイナスに設定できます。つまり患者さんの脚力が弱くても、マシンがアシストして足を動かしてくれる。超早期からリハビリに取り組めるので早期退院につながるものと期待しています。特 集患者さんに加えてスタッフのための設備も充実学生の学びを深める仕掛けと仕組み

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